NEC LAVIE Tab T9としても(おま値で)日本市場に投入され、8インチAndroidタブレットでは最高峰のスペックを備える、Legion Y700 2023を購入したのでレビューします。
スペック・仕様
拯救者 Y700 二代/Lenovo Legion Tab Y700 2023(TB320FC) | |
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OS | ZUi 15(Android 13) |
SoC | Snapdragon 8+ Gen 1(TSMC 4nm N4) |
メモリ | 12/16GB(LPDDR5X) |
ストレージ | 256/512GB(UFS 3.1) |
ディスプレイ | 8.8インチ LCD (2560×1600/60~144Hz) |
サイズ | 208.9×129.5×7.6mm |
重さ | 350g |
バッテリー | 6550mAh |
カメラ | 13MP(メイン:Hynix hi1339 1/3型) 2MP(マクロ:SmartSens sc202cs 1/5.1型) 8MP(フロント:Samsung S5K4H7 1/4型) |
インターフェース | USB Type-C×2(短辺側:USB 2.0/長辺側:USB 3.x Gen 2) microSDカードスロット(最大1TB) |
オーディオ | ステレオスピーカー Dolby Atmos Hi-Res Audio(192000Hz※¹) |
接続規格 | Wi-Fi 6E/Bluetooth 5.3 |
防水・防塵 | – |
セキュリティ | 顔認証 |
備考 | ・Legion Y700 2023(TB320FC)≒NEC LAVIE Tab T9(T0995HAS) ・Legion Tab(グローバル)=Legion Y700 2023(CN):どちらもTB320FC ・※¹スピーカーは48000Hz固定、イヤホン(アナログ)出力時のみ192000Hz可 ・スペック参考元:GSMArena/WeikHome=サン/NEC LAVIE公式サイト |
開封・内容物
京東より諸々含めて安かったのでAliExpressにて約4.9万円で購入。「OfficialよりOnlineで買う方がいいぞ~」とネット上で言われていたので、セラーはLenovo Online Storeにしました。

2023/12/26に注文・支払い、手元に届いたのは大体2週間後の2024/1/9でした。配達速度を重視するなら京東の方が良いと思います。
アリエクだとY700 2023に、LAVIE Tab T9…俗に言うNEC ROMを焼いた物も売ってるっぽいです。
パッケージ内容 |
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・Legion Tab Y700 2023 ・ACアダプター(5V3A-11V6.2A/最大68.2W) ・USB Type-C to Cケーブル ・SIMピン(microSDカードスロット用) ・マニュアル類 |
保護フィルムやケースは付属してないので適当にAliExpressで、2枚700円前後のガラスフィルムとシンプルに黒いだけのケース(400円前後)を買いました。

中華ECで格安品やLenovo純正品を買ってヨシ、NEC LAVIE Tab T9(日本版)向けを買ってもヨシで、アクセサリー類にはそんなに困らないと思います。
外観
钛晶灰しか無いと思って買ってから、冰川蓝(グレイシャル・ブルー?)の存在を知りました()。まぁ…チタンクリスタルグレーも無難でカッコいいです。控えめなLenovoとLegionロゴがむしろ良いと感じてます。


金属筐体(アルミボディ)で指紋もそこまで目立たず、フレームや加工含め全体的な質感も中々良いです。

ソフト・ハードウェア
OS:Android 13ベースのZUi 15
Legion Y700 2023はAndroid 13ベースのZUi 15を搭載しています。デフォルトでは日本語に対応していませんが、adbデバッグ環境のPCからadbコマンド”adb shell settings put system system_locales ja-JP”を実行して再起動すると、ほぼ日本語化されます。(15.0.737で確認)


ZUiを試した印象は「セキュリティ関連(adbやapkの10秒のアレ)が鬱陶しくないMIUI」みたいな印象です。


中華系Androidで稀によくある、デフォルトのランチャー以外での制約はZUiだと特に無いです。タスクバー(お気に入りトレイ)のアプリ入れ替えだけはZUI Home上でしか機能しないので、予め変える必要があります。

それ以外はタスクキルが酷すぎるとか癖が強すぎる訳でもなく、AOSPそのままみたいに素っ気ない・カスタマイズ性が乏しいという訳でもない、ガワが少しMIUIっぽい普通の中華系Androidです。



Y700 2023はLegionブランドのタブレットなので、純白可憐(Pale)=サンが描く拯救姬(Hika)の壁紙や充電アニメーションに設定できます。


Windowsなどのようにマルチウィンドウで表示して使える、PCモード(デスクトップモード)も使えます。Androidの標準的な画面分割よりは、一応PCのそれに近いので動画+ブラウジングにはそこそこ良いです。

8.8インチサイズ相応の領域しかないので、頑張っても2ウィンドウが限界です。

ディスプレイ:高品質な144Hz&WQHD+対応の8.8インチLCD
Legion Y700 2023はWQHD+(2560×1600)で、8.8インチサイズのLCDディスプレイを採用しています。
有機ELではなく液晶ですが…殆ど気にならないくらい、高精細・高品質で綺麗なディスプレイです。液晶なのでピクセル配列はStripe RGB配列です。

最大144Hz駆動のリフレッシュレート、DolbyVisionやHDR10に対応しています。ブートローダーアンロック前だとWidevineセキュリティレベルはL1で、動画ストリーミングサービスで高画質な再生が可能です。ブートローダーアンロックするとDRMが機能しないらしいです。
ディスプレイスペック | |
解像度/PPI/対応HDR・リフレッシュレート | |
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色彩設定など | |
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DRM・Widevine セキュリティレベル:(L1) | |
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生体認証:顔認証にのみ対応
Legion Y700 2023は顔認証にのみ対応しています。
GPSやLTE非対応の屋内向け端末なので、顔認証のみでもあまり不便には感じないです。指紋認証”のみ”より使い勝手は良い気がします。


充電:45WのUSB PD(PPS)出力対応
Legion Y700 2023は45Wの急速充電に対応しており、ACアダプターとC to Cケーブルが付属しています。
ACアダプターは中華系でよくあるType-AではなくCポートで、最大11V6.2A=68.2Wに対応しています。アダプター側は68.2Wですが、Legion Y700 2023側は45Wです。


ACアダプターはUSB PD 68W(PPS)以外にDCP、Apple 2.4AやQC3.0に対応しており、付属のケーブルはeMarkerが搭載されていました。WITRN C5曰く、USB 2.0で20V5A=100W対応のMotorolaのケーブルらしいです。


付属のACアダプターとケーブルでLegion Y700 2023を充電してみると、45W前後が出力されていました。

いつも通りAVHzY C3(YK-003C)とSHZUKU TOOLBOXで簡易計測してみると、最大48W前後が出力されており、バッテリー残量5%から95%まで充電した場合、所要時間は約50分でした。普通に速いです。
AVHzY C3+SHZUKU TOOLBOXで充電時間の簡易計測(5%→95%) | |
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USB PD45W(PPS) (所要時間:48分48秒) | 最大電圧:9.5289V |
最大電流:5.0528A | |
最大出力:48.0166W |
独自規格ではなく汎用的なUSB PD(PPS)45Wで、6550mAhの充電が50分程度で済むのでかなり高評価ポイントです。80%台まで30W程度の出力が続くのもGoodです。バッテリー残量50%を維持(それ以上充電しない)機能や、状態に合わせて充電を調整して寿命を延ばす機能もあります。


オーディオ
サウンド効果
Legion Y700 2023はDolby Atmosに対応しています。スピーカー使用時ではDolby AtmosをOFFにできません。

ハードウェア
独自エンジン採用の音楽プレイヤー「Neutron Music Player」で、Legion Y700 2023の再生可能な周波数を確認します。
Dolby Atmosが有効化されている場合、周波数は48000Hzで固定されています。このため、Dolby AtmosをOFFにできないスピーカーでの再生中は強制的に48000Hzへアップ・ダウンサンプリングされてしまいます。
Legion Y700 2023:再生可能周波数(Dolby Atmos:ON) | ||
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周波数 | Speaker:48000Hz Line-out:48000Hz | |
アナログ出力 | 可能(DAC非搭載の変換アダプターもOK) |
Line-out接続時にDolby Atmosを無効化すると、ドライバーの設定に”Hi-Resコーデック(Direct PCM)”が出現し、44100~192000Hzでの再生・出力変更が可能になります。
Legion Y700 2023:再生可能周波数(Dolby Atmos:OFF) | ||
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周波数 | Line-out時のみ:44100~192000Hz |
最近はめっきり使う人を見かけませんが…アナログ型のUSB Type-C to 3.5mm変換アダプターをそのまま使えたため、Legion Y700 2023はアナログ出力が可能です。
もっとも…Legion Y700 2023はUSB Type-Cポートを2つ備えているので、Legion Y700 2023/SoC(内蔵DAC)→アナログ式アダプター→イヤホン出力などせずに、それなりのUSB DACやアンプに繋いだ方が良いです。

スピーカーのアンプにはCirrus Logic製のモノラル・クラスDアンプ「CS35L45」を2つ採用しているようです。

ステレオスピーカーの音質は、タブレットということを加味しても非常に良いです。
左右対称かつ最大6.8W出力でDolby Atmosの効果も相まって、音の広がりや迫力がスマホのステレオスピーカーとは段違いです。何なら下手なノートPCや、3~5W出力の小型USBスピーカーより高音質だと思います。
音質 | 端末・オーディオエフェクト |
とても良い | Legion Y700 2023/Dolby Atmos POCO F4 GT(K50G)/Dolby Atmos |
良い | Google Pixel 8 Pro/non Xiaomi Mi 11i(K40 Pro+)/Dolby Atmos POCO F3(K40)/Dolby Atmos Redmi K60 Pro/Dolby Atmos realme x2 Pro/Dolby Atmos |
普通 | OnePlus Nord 3 5G/Dolby Atmos Google Pixel 6/non Redmi K60 Ultra/Dolby Atmos LG V60 ThinQ 5G/DTS:X&LG 3D Sound Google Pixel 3/non ZTE Axon 10 Pro 5G/DTS:X Ultra |
悪い | Redmi Note 12 Turbo(F5)/Dolby Atmos |
Bluetoothコーデック
Legion Y700 2023側がサポートしているコーデックを確認すると、aptX(Adapteive/TWS+/HD)/LDAC/AAC/SBCに対応しているみたいです。

Snapdragon 8+ Gen 1の概要(スペック・仕様)
いつも通りベンチマークの前に採用したSoCの概要を簡易的に解説します。が、Snapdragon 8+ Gen 1を今更解説されても…って方もいると思うので、不要ならベンチマークまでスキップして下さい。(←タップで移動できます)
比較表には色々な意味で名高いSnapdragon 8 Gen 1と、8+ Gen 1と共通のアーキテクチャー・プロセスノードで開発され、実質2モデルのみながら高性能かつ安価で人気な7+ Gen 2を入れました。
SoCスペック・比較/構成解説表(仮) | |||
SoC | Snapdragon 8+ Gen 1 | Snapdragon 8 Gen 1 | Snapdragon 7+ Gen 2 |
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プロセスノード | TSMC 4nm(N4) | Samsung 4nm(4LPX) | TSMC 4nm(N4) |
CPU | 8C8T | 8C8T | 8C8T |
X2×1:3.2GHz A710×3:2.75GHz A510×4:2GHz | X2×1:3GHz A710×3:2.5GHz A510×4:1.8GHz | X2×1:2.91GHz A710×3:2.49GHz A510×4:1.8GHz | |
L3キャッシュ | 6MB (SLC:4MB) | 6MB (SLC:4MB) | 6MB (SLC:2MB) |
GPU | Adreno 730 (900MHz) | Adreno 730 (818MHz) | Adreno 725 (580MHz) |
NPU(DSP) | Hexagon(7th Gen) | Hexagon(7th Gen) | Hexagon |
ISP | Spectra (Triple 18bit) | Spectra (Triple 18bit) | Spectra (Triple 18bit) |
メモリ | LPDDR5 (3200MHz) | LPDDR5 (3200MHz) | LPDDR5 (3200MHz) |
ストレージ | UFS 3.1 | UFS 3.1 | UFS 3.1 |
通信モデム | Snapdragon X65 5G | Snapdragon X65 5G | Snapdragon X62 5G |
接続規格 | Wi-Fi 6/6E Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 6/6E Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 6/6E Bluetooth 5.3 |
内部コード | SM8475(P?) | SM8450 | SM7475-AB |
Snapdragon 8+ Gen 1は約2年前の2022/5/20に発表されたSoCで、Snapdragon 8 Gen 1の性能向上版です。”Snapdragon ◯Gen .x”以前の命名規則において、855+や865+の立ち位置に相当する存在です。
CPU部分はプライマリコアのCortex-X2が3.2GHzに、高性能コア3基のA710が2.75GHzに、高効率コア4基のA510が2GHzに引き上げられています。
GPU部分はAdreno 730が818MHzから900MHzに引き上げられ、Qualcomm曰くCPU・GPUそれぞれ10%性能向上を果たしています。その他のスペックは基本的にSnapdragon 8 Gen 1と共通です。
最大の変更点かつ小規模改良の従来型”+”と違う点は、ファウンドリーとプロセスノードが当時35%という低い歩留まりだったSamsungの4nm(4LPX:実態は5LPP)から、TSMCの4nm(N4)に変わった点です。

Snapdragon 8 Gen 1が先代の888からGPU以外大して進化せず、865→888→8 Gen 1の2年間で発熱と消費電力増加により、8シリーズのSnapdragonの評判がガタ落ちした原因の大部分であるSamsungから、TSMCに変わることで8+では性能が向上しつつ、15%程度消費電力が減少し、8 Gen 1比で30%程度も電力効率が改善。
この後テストしますが…8 Gen 1比でのSnapdragon 8+ Gen 1のパフォーマンスと評判は、読者=サンも知っての通りです。
余談としてSnapdragon 8+ Gen 1は2つのモデルが存在しています。1つは今回のLegion Y700 2023やXiaomi 12T Pro、Xiaomi 12Sシリーズ等で採用されている”最大3.2GHz駆動”のSnapdragon 8+ Gen 1。
もう1つはNothing Phone (2)やHONOR 80 Pro等が採用している、”最大3GHz駆動”な低クロック版のSnapdragon 8+ Gen 1。同じ名称を使っているため、違いに気付かず同等品で扱われることが稀にあります…。
低クロック版のSnapdragon 8+ Gen 1は、Samsung製で失敗作のSnapdragon 8 Gen 1とほぼ同じスペックで製造がTSMCに置き換わり、おまけでGPUクロックが上がった”実質”TSMC製の8 Gen 1かつその代替品です。
ついでに、スペックの近いSnapdragon 7+ Gen 2をSnapdragon 8+ Gen 1の選別落ち、ハズレ・調整版だと思っている or ”そうだ”と情報を出している人がいるなら間違いです。起源が同じ存在なだけで別物です。

ベンチマークテスト
テスト/比較端末・環境構成 | |
![]() | 【Legion Y700 2023(NEC LAVIE Tab T9)】 ・OS:Android 13(ZUI 15:15.0.737) ・SoC:Snapdragon 8+ Gen 1 ・メモリ:12GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 3.1) ・CPU/GPU定格動作(ゲームアシスタント:パフォーマンスモード) |
![]() | 【Redmi K60 Pro】 ・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.5.0UMKCNXM) ・SoC:Snapdragon 8 Gen 2 ・メモリ:8GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 4.0) ・CPU/GPU定格動作(パフォーマンスモード) |
![]() | 【POCO F4 GT(Redmi K50G)】 ・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.1.0.ULJMIXM) ・SoC:Snapdragon 8 Gen 1 ・メモリ:8GB(LPDDR5) ・ストレージ:128GB(UFS 3.1) ・CPU/GPU定格動作(パフォーマンスモード) |
![]() | 【Redmi Note 12 Turbo(POCO F5)】 ・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.2.0.UMRMIXM) ・SoC:Snapdragon 7+ Gen 2 ・メモリ:8GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 3.1) ・CPU/GPU定格動作(パフォーマンスモード) |
![]() | 【Xiaomi Mi 11i(Redmi K40 Pro+)】 ・OS:Android 13(crDroid 9.10:TQ3A230901.001) ・SoC:Snapdragon 888 ・メモリ:8GB(LPDDR5) ・ストレージ:128GB(UFS 3.1) ・CPU/GPU定格動作(crDroid:パフォーマンス優先) |
![]() | 【POCO F3(Redmi K40)】 ・OS:Android 13(Pixel Experience:TQ3A.230705.001.B4) ・SoC:Snapdragon 870 ・メモリ:6GB(LPDDR5) ・ストレージ:128GB(UFS 3.1) ・CPU/GPU定格動作 |
備考 | ・ディスプレイ駆動:120Hz固定 ・ディスプレイ輝度:各端末での50%固定 ・通信環境:Wi-Fi5(5GHz接続) ・室温:19℃ |
Legion Y700 2023をベンチマーク&比較するついでに、Android OSの更新等で変わった部分もあるため、手持ちの他のSnapdragon搭載機のデータも測定し直します。加えてベンチマーク内容も少し変更します。
ミドルハイ・ハイエンド以上のAndroid端末:ベンチマーク内容 | ||
ベンチマーク | ~Redmi K60 Ultraまでの旧式 | Legion Y700 2023以降~ |
CPU性能 | Geekbench 6(配布MOD版) | Geekbench 6(自前のリネーム版) |
GPU性能 | 3DMark Wild Life Extreme (配布MOD版) | 3DMark Wild Life Extreme (自前のリネーム版) |
一般的なタスク 普段使い性能 | PCMark for Android(配布MOD版) mozilla kraken 1.1(Web上) | 計測中止 (SD865以上で劇的な差は無いため) |
ストレージ メモリ性能 | CPDT Benchmark | CPDT Benchmark |
AI性能 | MLPerf Mobile(v3.0) | MLPerf Mobile(v3.1) |
簡易AIテスト | RealSR-NCNN-Android | RealSR-NCNN-Android |
ストレステスト | CPU Throttling Test(ストア版) | CPU Throttling Test (自前のリネーム版) |
Wild Life Extreme Stress Test (配布MOD版) | Wild Life Extreme Stress Test (自前のリネーム版) | |
ゲーム性能 | 勝利の女神:NIKKE (迎撃戦:特殊個体:モダニア) | 勝利の女神:NIKKE (迎撃戦:特殊個体:モダニア) |
原神 (スメールシティ:15分間) | 原神 (スメールシティ:30分間) | |
崩壊:スターレイル (仙舟「羅浮」:15分間) | 崩壊:スターレイル (ピノコニー:30分間) | |
レスレリアーナのアトリエ(第2章) 採用予定(だった)シャニソン(星の声/MV) | ※非常に重いのは確か(最適化不足あり) 肝心のゲーム自体が申し訳ないけど 加えてピノコニーが同等以上に重くなり、不採用 |
消費電力などの測定にはいつも通りScene(TOOLBOX-SCENE)を利用。旧式のTakoStatsとScene6のデータが混在して気持ち悪かった状態から、Scene7に統一&更新しました。(さようなら…TakoStats)
Geekbench
CPU性能を計測するGeekbench 6の結果です。パッケージリネーム版でも大幅なスコア低下は無いため、アプリパッケージ名で判定し制御を変えるブースト行為はしていないと思います。
Geekbench 6 | |
通常版(6.2.2) | パッケージリネーム版(6.2.0) |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | シングルコア性能:1862 マルチコア性能:4833 最大消費電力:9.73W |
Legion Y700 2023はタブレットかつとても大きなVC冷却を備えるおかげで放熱性が非常に良く、Snapdragon 8+ Gen 1のポテンシャルをかなり引き出せているようで、8 Gen 2機に匹敵するCPU性能です。
Cortex-X2が3.2GHzで動作するため、マルチだけでなくシングルコア性能でも3GHzのSnapdragon 8 Gen 1や2.91GHzの7+ Gen 2を明確に上回っています。

消費電力はLegion Y700 2023がタブレットなので少し不利ですが、Snapdragon 8 Gen 1(POCO F4 GT)比で約20%も削減されています。

マルチスコア÷最大消費電力でのワットパフォーマンスは、Snapdragon 8 Gen 2や7+ Gen 2同様の高水準で、出来損ないのSnapdragon 8 Gen 1とは比べるまでもありません。が…読者サン、物足りなく無いですか?

POCO F3でスコア÷消費電力での電力効率グラフを取り入れ、Pixel 8 Pro以降で高/中/低の電力効率区分に更新しましたが…どちらも間に合せであり、スコア÷消費電力で電力効率を求める方法はわりと誰でも作成・真似できる物です。
加えて、最大スコア÷最大消費電力の電力効率は9割くらい合ってますが、ざっくりした部分も多いので不十分なところもあります。同一起源のSnapdragon 7+ Gen 2と8+ Gen 1で上の表通りの差があるのか…とか。


Pixel 8 Proの時はScene導入前だったり、手探りな状態でまだできませんでしたが…再計測に合わせて、ある程度形になった電力効率曲線(疑似)を作成したので、効率区分から曲線に置き換えます。

CPUでの測定点は5つです。最大スコアを測定点数で割り、割った数値を測定点数の分掛け戻し、それぞれ戻した値に近いスコアと消費電力を採用。(8+ Gen 1での例:4833÷5=966.6@966.6×1/2/3/4…)
1000以下の最小値は、動作周波数を全コア最低クロックにしても出ないので、今まで通り最低クロックでのスコアを採用しました。2W以下を求める場合コアを無効化する必要がありますが、趣旨がズレるので…。
電力効率曲線の場合、横軸(ワット辺り)か縦軸(スコア辺り)みたいな見方もできますが、簡単にはカーブが左上に近いほど優れていて、反対に右下に近いほど電力効率が悪いです。

曲線で見た場合でもSnapdragon 8 Gen 1と8+ Gen 1の差は、スコア÷消費電力同様にかなり差があります。
同一起源のSnapdragon 7+ Gen 2と8+ Gen 1は、曲線だと似たような効率で、クロックの差分で7+ Gen 2から8+ Gen 1へ高周波数域が続いているような感じです。
最低クロックではどのSoCもスコア1000~1200前後かつ消費電力が2~2.5Wで収束します。(870が4点な理由も最低クロックでスコア1093以上のため)
3DMark
3840×2160の解像度でVulkan APIを用いてGPU性能を計測するベンチマーク、3DMark Wild Life ExtremeでLegion Y700 2023(Snapdragon 8+ Gen 1)はスコア2764でした。
3DMark Wild Life Extreme(パッケージリネーム版) | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | Overall score:2764 最大消費電力:9.96W |
Adreno 730同士とはいえ82MHzしか違わないので、Wild Life ExtremeにおけるSnapdragon 8 Gen 1と8+ Gen 1の単発時のピーク性能差はあまり大きく無いです。グラフも性能に比例した順当な並びです。

GPUベンチマークでも最大スコア÷最大消費電力から、(疑似)電力効率曲線に置き換えます。測定点はCPUでの区分と似たように、各GPUの周波数テーブルにおける高/中/低クロックの3つです。
基本的にスマホ向けゲームの大半はCPU性能が影響し、最大GPU周波数が必要になるのは「崩壊:スターレイル」や「レスレリアーナのアトリエ」といった一部の超重量級タイトルのみで、やや重め程度の「原神」やそれ以下の負荷タイトルは中~低周波数辺りで動作するため、とりあえずの間は3点です。

CPUと同じくSnapdragon 8 Gen 1(12.29W)から性能が向上しつつ、8+ Gen 1(9.96W)はピーク時の消費電力が明確に減少しています。元々Adreno 730自体の電力効率は、Adreno 6xxシリーズから大きく向上していて、Samsung製でありながらSnapdragon 8 Gen 1は888と比べてもCPU部分のように退化していませんでした。
TSMC製になったSnapdragon 8+ Gen 1は、870や888とは比べるまでもないです。
CPDT Benchmark
クロスプラットフォーム対応のCPDT Benchmarkで、モバイル端末でも非常に重要なストレージ・メモリ性能をテストします。テストのファイルサイズは1GB、BufferingやCacheはOFFの標準設定です。
CPDT Benchmark | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (UFS 3.1/LPDDR5X) | Sequential write:573.08MB/s Sequential read:1.91GB/s Random write:36.20MB/s Random read:88.63MB/s Memory copy:16.30GB/s |
シーケンシャルライトは一般的なUFS 3.1、シーケンシャルリードではUFS 4.0と同等クラスの速度が出ています。

ランダムライトもUFS 3.1としては優秀な速度ですが、ランダムリードは88.36MB/sと頭一つ抜けた速度を叩き出しました。(※一応、3回の計測で最も遅い結果)

Snapdragon 8+ Gen 1(と7+ Gen 2)はDimensity 9000や8 Gen 2以降と違い、LPDDR5(3200MHz)までのため、Legion Y700 2023自体がLPDDR5Xを採用していてもその速度・帯域を活用できません。
が…メモリコピー速度も、LPDDR5相当にしては16.30GB/sと優秀な部類です。帯域を活用できるはずのDimensity 9000(OnePlus Nord 3/LPDDR5X)が、以前計測した際に14.46GB/sなので”X”の有無は然程重要では無いかも知れません。

スマホと違い、冷却面積や消費電力をあまり気にしなくて良いタブレットなので、規格自体はUFS 3.1/LPDDR5”X”でも速度を性能側に振っているのかもしれません。(あくまで邪推)
何れにしてもLegion Y700 2023のストレージ・メモリ性能は非常に優秀で、動作の体感差が手持ちのDimensity 9200+やSnapdragon 8 Gen 2機と遜色なく、サクサク動作するのも頷けます。
MLPerf Mobile Inference benchmark
業界標準団体”MLCommons”が公開している機械学習性能のオープンソースベンチマーク、MLPerfのモバイル版で機械学習(AI)性能をテストします。今までのv3.0からv3.1にテストを更新しました。
画像分類・物体検出・画像セグメンテーション・言語理解・超解像・オフラインでの画像分類の6項目を、30分近い時間を掛けて実行する長いベンチマークです。
MLPerf Mobile Inference benchmark v3.1 | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | Image Classification:3078.90 Object Detection:1348.12 v2.0 Image Segmentation:766.10 Languge Understanding:176.19 Super Resolution:96.86 Image Classification(offline):4621.47 |
テスト項目と結果の桁が多いので、Legion Y700 2023(Snapdragon 8+ Gen 1)の結果を含めたグラフを分割します。


MLPerf Mobileの機械学習(AI)性能において、Snapdragon 8 Gen 1から画像分類・超解像・オフラインでの画像分類が8+ Gen 1で向上しています。8 Gen 2とのギャップも8 Gen 1ほどではないです。
蛇足でGPU(Adreno 730と725)とモデム(Snapdragon X65とX62)以外は、あまり差が無いSnapdragon 8+ Gen 1と7+ Gen 2ですが…AI性能には1つ明確な差があり、7+ Gen 2のMLPerfでの言語理解だけは何故か888以下の性能まで削られています。
あとMLPerfのガイドラインに従って、素晴らしい文言を記載しないといけないので以下ry…。(いつも申し訳ねぇです…)
未検証 MLPerf™ Mobile App v3.1 オフライン MLCommons Association により検証されていません。MLPerf™の名称およびロゴは、米国およびその他の国における MLCommons Association の商標です。無断複写・転載を禁じます。無断使用は固くお断りします。詳しくは www.mlcommons.org をご覧ください。
RealSR-NCNN-Android
機械学習性能を計るベンチマーク結果だけ見ても、差があるのは分かりますが…わりと「?」状態です。いつも通り簡単なAI性能テストとして、機械学習(AI)を用いた画像のアップスケーリングをテストします。
Real-ESRGANベースの”RealSR-NCNN-Android-GUI”で、1080×1920(FHD)の画像1枚をモデル”real-esrganv3-anime”でGPUを使って処理させ、アップスケーリング後にResultで確認可能な合計処理時間(秒)で比較。
RealSR-NCNN-Android:アップスケーリングテスト | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | real-esrganv3-anime-x2(GPU):12.472秒 real-esrganv3-anime-x4(GPU):25.708秒 |
1080×1920(FHD)の画像をGPUで処理して2倍の2160×3840(4K)、4倍の4320×7680(8K)にアップスケーリングした場合、どちらもSnapdragon 8 Gen 1と大差無いAdreno 730相応の結果でした。

差が開くのは8Kへのアップスケーリングのみで、4KだとSnapdragon 888~8+ Gen 1は横並び、4/8Kで頭一つ抜けて速いのは8 Gen 2(Adreno 740)相当のみです。
CPU・GPUストレステスト
CPU Throttling Test
性能の100%を基準に、発熱による性能低下時のCPU性能や安定性を計測できるストレステスト、CPU Throttling Testを最大負荷の100スレッド、20分間実行して安定性を確認します。
CPU Throttling Test (パッケージリネーム版) | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | CPU Throttling:90% 最大バッテリー温度:34.7℃ |
Legion Y700 2023(Snapdragon 8+ Gen 1)のCPU Throttling Testでの安定性は90%で、非常に安定しています。
安定性に定評のあるSnapdragon 7+ Gen 2や870に近いレベルであることからも、Legion Y700 2023の冷却能力の高さが伺えます。冷却面積が段違いとはいえ…同条件下でありながらバッテリー温度も最大35℃以下です。

…Xiaomi HyperOSへの更新・パッケージリネームどちらか or 両方の影響か知りませんが、19℃環境にも関わらずPOCO F4 GTは66%まで低下し、以前のデータ(20℃環境下での73%)より悪化しました。37.5℃なのを見るにスロットリングが早い段階で行なわれてる印象です。
まぁ…どちらにしろ高負荷時の発熱とそれに伴う性能低下から、Snapdragon 8 Gen 1に「安定性」という文字はありませんが。
3DMark Wild Life Extreme Stress Test
20ループのGPU負荷テスト、3DMark Wild Life Extreme Stress TestでGPUの安定性を確認します。
3DMark Wild Life Extreme Stress Test(パッケージリネーム版) | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | Wild Life Extreme(Best):2764 Wild Life Extreme(Lowest):2687 最大バッテリー温度:38℃ |
Legion Y700 2023(Snapdragon 8+ Gen 1)は最大スコア2764、最低スコア2687で安定性は97.2%でした。


CPU同様、GPUでもLegion Y700 2023の冷却能力・安定性の高さは8+ Gen 1搭載機の中でも、特に素晴らしいと思います。同条件下で計測していても、やはり他の端末よりLegion Y700 2023の温度が最も低いです。
何れにせよ、CPU Throttling Testと3DMarkでのストレステストは使用率99(100)%に張り付いた状態、非現実的な使用下での安定性や持続力を見れるだけなので「酷使したらこんなもんかな」程度のテスト結果です。
それぞれのストレステストでの結果、それ以上でも以下でもないため、参考材料としては有効ですが…実際の他アプリやゲームでの安定性や動作を保証する訳ではありません。
ゲーム性能
勝利の女神:NIKKE
フレームレートによってDPSに差が生じ、フレームレートの安定性が重要な「勝利の女神:NIKKE(メガニケ)」での性能をテスト。テストに採用した中では、動作負荷が軽めなタイトルです。
コアさえ破壊すれば胴体を撃つだけで良く、最もランダム要素を排除して動作を揃えやすいため、迎撃戦(特殊個体:モダニア)でテストしています。動作検証なのでモダニアは普通にバースト(残滅モード化)させます。
あと、戦闘狂の指揮官以外はクイック戦闘で消化すると思うので計測は1回です。逆に1回目の時点で平均50fpsを越えない場合、ストーリーの攻略や日課の消化にすら使い物にならないという目安にもなります。
メガニケ:迎撃戦(特殊個体:モダニア) | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | 平均フレームレート:58.1fps 最低フレームレート(1%):52fps |
平均消費電力:6.7W 最大バッテリー温度:25℃ |
迎撃戦(特殊個体:モダニア)でのフレームレートは平均58.1fps、最低(1%)で52fpsを叩き出し、Snapdragon 8 Gen 2(K60 Pro)を僅かに上回ってLegion Y700 2023がトップを更新しました。
CPU性能寄りのタイトルながら最適化の関係で、Snapdragon 7+ Gen 2と8+ Gen 1には明確な差があります。

動作中の消費電力は平均6.7W、バッテリー温度は最大25℃で、実ゲームにおいてもSnapdragon 8 Gen 1より性能が向上しながら消費電力は削減されています。

Legion Y700 2023は8.8インチかつアスペクト比16:10のおかげで、メガニケをPC版のように横画面で表示しても違和感なく動作します。縦画面より圧倒的な表示量のため、ボス戦でのパーツ破壊もしやすいです。
加えてLegion Y700 2023はSnapdragon 8 Gen 2と遜色ない動作のため、特殊個体5体の中でもモダニアより群を抜いて難関のアルトアイゼン攻略にも耐えうる、とてもタクティカルな動きができるAndroid端末です。
原神(Genshin Impact)
Snapdragon 855+メモリ6GBクラスに推奨スペックが引き上げられた「原神(Genshin Impact)」での性能をテスト。現在の水準だと原神はやや重め程度のタイトルです。
mihoyoがリリースしたゲームタイトルは、デバイスごとにレンダリングする解像度を変える法則性があるので、先にLegion Y700 2023のレンダリング解像度をいつも通り、CR²FSで簡易的に調べます。
原神:レンダリング解像度《渲染分辨率》※参考程度 | |
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Legion Y700 2023 | |
実行解像度:1728×1080 | CR²FSでのジャギー段数:21段(レンダリング精度:高) 推定レンダリング解像度:864p(Android標準以上) |
Legion Y700 2023のCR²FS段数は21で、推定レンダリング解像度は864pです。私が敬愛するGeekerwan=サン(中華圏の方式)による場合では、1382×864(渲染像素数:119.4万)らしいです。
鋸歯/CR²FS共に縦側は864で、Android標準の1600×720(渲染像素数:115.2万)をやや上回っています。タブレットなので当然といえば当然ですが、720p以上のため厳密には他と同一解像度での比較にはなりません。
原神のテストは引き続き、スメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続ける”スメールシティ/夜蘭C1ランニング”を採用。夜蘭(C1)で約4分間のルートを最高画質+60fps設定で30分間走行して計測します。
原神:スメールシティ/夜蘭C1ランニングテスト/30分間 | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | 平均フレームレート:54.4fps 最低フレームレート(1%):42fps |
平均消費電力:8.17W 最大バッテリー温度:37℃ |
スメールシティ(夜蘭C1ランニングテスト)でのフレームレートは平均54.4fps、最低(1%)で42fpsでした。
864p相当(渲染像素数:119.4万)のレンダリング解像度でありながら、720p(渲染像素数:115.2万)の他端末と同等以上かつSnapdragon 8 Gen 1とは雲泥の差です。Legion Y700 2023の動作感はかなり良好です。

動作中の消費電力は平均8.17W、バッテリー温度は最大37℃と…Snapdragon 8+ Gen 1にしては高めな値を記録していますが、パフォーマンスモード+レンダリング解像度が864p相当であることを加味すると、720pより高めでも不思議ではありません。

崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)
Snapdragon 855・Dimensity 1000+メモリ6GBクラスが推奨スペックながら、同水準な原神よりも重たい「崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)」での性能をテスト。
原神と同様に、スターレイルもデバイスごとにレンダリングする解像度を変える法則性があるので、先にLegion Y700 2023の実行解像度とレンダリングピクセル数を中華圏で採用されている方式で調べます。
崩壊:スターレイル:レンダリングピクセル数《渲染像素数》※参考程度 | |
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Legion Y700 2023 | |
実行解像度:1344×839 | 総レンダリングピクセル数:112.7万 |
参考・基本値(1680×756) | |
・Redmi Note 12 Turbo ・Xiaomi 13 Pro ・OPPO Find X6 Pro…等 | 総レンダリングピクセル数:127万 |
Legion Y700 2023の実行解像度は最高画質で1344×839、総レンダリングピクセル数は112.7万です。アスペクト比が影響して縦側は基本値の756より上の839ですが、横側が1344まで狭まっているため渲染像素数は劣ります。
とはいえ崩壊:スターレイル自体が非常にGPU負荷の重いタイトルのため、Legion Y700 2023だと基本値より”気持ち軽め”程度だと思います。
スターレイルのテストは、楽しかったけど…負荷が期待外れだった原神(沈玉の谷)と違い、Snapdragon 8 Gen 2すら50~55fps程度が限界で、仙舟「羅浮」(星槎海中枢)を超えた負荷の”ピノコニー(黄金の刻)”へ更新。

(多分D9300/8Gen3が前提)モバイル向けタイトルでトップクラスのGPU負荷になった、ピノコニー(黄金の刻)をグラフィック(最高)+60fps設定で、一定のルートを時計回りに30分間歩き回り計測します。
崩壊:スターレイル:ピノコニー(黄金の刻)/30分間 | |
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計測結果 | |
Legion Y700 2023 (Snapdragon 8+ Gen 1) | 平均フレームレート:48.1fps 最低フレームレート(1%):28.06fps |
平均消費電力:10.33W 最大バッテリー温度:39℃ |
ピノコニー(黄金の刻)でのフレームレートは平均48.1fps、最低(1%)で28.06fpsを記録。放熱性と渲染像素数が少し劣ることが影響しただろうとはいえ、平均値ではSnapdragon 8 Gen 2に勝るとも劣らない結果です。
ただし最低フレームレート(1%)ではSnapdragon 8 Gen 2が37fpsに対し、8+ Gen 1が約28fpsで動作の安定性という面では、GPU性能そのものの差が顕著に現れています。

動作中の消費電力は平均10.33W、バッテリー温度は最大39℃で圧倒的なGPU負荷が掛かるピノコニーで8 Gen 2並の結果を残した反面、900MHzのAdreno 730を酷使した結果相応の消費電力となりました。

その他:Legion Y700 2023のゲーム系機能
ゲームアシスタント
Legion Y700 2023は登録したゲームのプレイ中に、左サイドからゲームアシスタントを呼び出して性能を3段階(省電力/バランス/パフォーマンス)から切り替えたり、動作クロックやフレームレート等の表示が可能です。

呼び出した際のショートカットソートは並び替えれます。要らないものも多いため、並び替えた方が良いかも知れません。


バイパス充電
バッテリー残量50%を維持する機能等とは別に、ACアダプターからバッテリーを介さずLegion Y700 2023へ直接給電する”バイパス充電”も可能です。

ゲームとして登録してあれば特にアプリの利用制限は無さそうで、動画サイトやストリーミングサービスを作業のお供に垂れ流す際にも使えそうです。


Peripheral Mode
Peripheral Modeを有効化すると任意のアプリ上でキーボードやマウス、外部コントローラーをキーマッピングして、本来はコントローラー等に対応しない原神のようなゲームも無理やり対応させられます。

バイパス充電とPeripheral Modeを併用して、Legion Y700 2023を据え置き機(風)に使ってみても面白いかもしれません。
8.8インチの丁度良いサイズ感と実用に耐えうる冷却性能&Snapdragon 8+ Gen 1が応えます。

まとめ:圧倒的な完成度(なのに安い)
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良い | 悪い |
・USB PD68W対応のACアダプター&C to Cケーブル付属 ・良い意味でゲーミングらしくないシンプルなデザイン ・金属筐体で質感ヨシ! ・Type-Cポート×2(USB 3.x Gen 2&映像出力対応) ・adbコマンドでほぼ日本語化可能、癖が強くないZUi 15 ・拯救姬(Hika)のテーマ&充電アニメーション対応 ・液晶なのが殆ど気にならない、高品質な8.8インチLCD ・45WのUSB PD(PPS)&バイパス充電等に対応 ・Dolby Atmos対応・非常に良いステレオスピーカー搭載 ・電力効率の良いSnapdragon 8+ Gen 1(最大3.2GHz)採用 ・かなり高速なストレージ・メモリ性能 ・圧倒的な安定性と冷却能力を誇る大型VC冷却 ・Snapdragon 8 Gen 2に迫る実ゲーム性能 ・ブートローダーアンロック対応 | ・ゲーミングには不要なデュアルカメラ ・性能に振り過ぎてやや消費電力多め |
ほぼ上で書き尽くしたので簡潔に。評判通り、Legion Y700 2023の8インチAndroidタブレットとしての完成度・実用性は素晴らしいです。非常に良いです。新環境用のサブ端末としてかなり満足です。
またブートローダーアンロックも簡単で、既にNEC LAVIE Tab T9のROMやZUiのfastboot ROMが存在し、QFILでの復旧も可能…と、(ゲーム以外も)かなり遊べるAndroidタブレットになっています。
基本的にLegion Y700 2023は、AliExpressか京東で購入するのが無難です。グローバル版のLegion Tab(TB320FC)も登場予定らしいので、おま値で直販以外は8/128GBのLAVIE Tab T9は…日本国内で購入・発送が完結するくらいしか、存在意義は無さそうです…。
CN版ZUiが苦手な場合でもLenovo RSAを使えば、簡単にLegion Y700 2023をグローバルROM(Legion Tab)化できます。NEC ROMと違って「ん…?」となる部分もほぼ無いです。
コメント
>スペックの近いSnapdragon 7+ Gen 2をSnapdragon 8+ Gen 1の選別落ち、ハズレ・調整版だと思っている or ”そうだ”と情報を出している人がいるなら間違いです。
TechInsightsのブログによれば7+ Gen 2のシリコンダイは8+ Gen 1と同一であると書かれています
http://www.techinsights.com/blog/snapdragon-7-gen-2-uses-8-gen-1-die
シリコン解析で著名な企業の記事ですから、これを否定して「7+ Gen 2と8+ Gen 1は”別物”である」とするには有力な情報源が必要だと思いますが、どこかで参照できますか?
Redmi Note 12 Turbo(7+ Gen 2)が発表される前、Xiaomi GroupのLu Weibing氏に「7+ Gen 2が8+ Gen 1の調整版・選別品と言われているが、(同氏は)どう考えているか」という質問があり、調整版でも選別品でもないと回答されています。
Xiaomi 12Sシリーズ(8+ Gen 1)、Redmi K60(3GHz版の8+ Gen 1)、Note 12 Turbo(7+ Gen 2)をリリースした、Xiaomi Groupの会長が否定しているのが答えだと思っています。
日本でもNote 12 Turbo(POCO F5)の話題で度々出てくる話で、私もリアルタイムで追っかけて度々目にし、あまりに「選別落ち」という捉え方がされていたのか、同氏による否定の件はReaMEIZU=サンが記事にされています。
私の購入したY700(2023)は最大3.0GHz駆動なので、SoCは個体差がありそうです
Y700 2023の8+ Gen 1は最大3.2GHzの高クロック版です。
個体差ではなく、ゲームアシスタントでパフォーマンス管理をしていて、3GHzで動く場合が多いというだけか何かだと思います。(何もしない素の方が若干性能は良い)
ゲームアシスタント切ったら3.2GHz出ました。
ありがとううございます。
Y700 2023をテレビ出力すると音声のみ端末から出てしまいモニターが無音になります。
他の端末だとこんなことはなかったので、仕様ですかね?
横の横からコメはできればNG&外部ディスプレイへの出力に関しては、未使用なのでノーコメントです…。
この記事を拝見して購入を決意しました。詳細な情報をありがとうございます!
はじめまして
とても参考になり助かりました
2025/1月現在はもうグローバルROM化はできないのですかね?
そんな話をちらほら目にしたので気になります
特定のバージョン(ファームウェア)を超えると、制限に引っ掛かって面倒なことになりますね…。(詳しくはこちらを参照して下さい)
やはり難しいですか
参考になりました。ありがとうございます