どうも、ららりらです。ALIENTEKの格安USBテスター「UT70」をhiroサンから貰ったので、簡単にレビューします。
まえがき
AliExpressと大差無い価格で、国内の電子工作部品等を取り扱うスイッチサイエンスが販売していたので、スイッチサイエンスから私(hiro)の方で購入しました。安いので自分用に買ってレビューしても良かったんですが、USBテスターはそこそこの物を2つ持ってるので…。
UT70は気にはなるけど…
せっかくならテスターを持ってない、ららりらサンへの入門機&プレゼントに…と
USBテスターは前から気になってたので、普通に嬉しいです。あざます。
スペック・仕様
ALIENTEK UT70 | |
ADC/コントロールIC | 高精度合金抵抗 16bit |
ディスプレイ | 0.96インチ IPS LCD(160×80) |
サイズ | 67.5mm×24.5mm×10.5mm |
重さ | 14g(実測) |
測定電圧・電流 | 電圧:0〜28V 電流:0~7A |
分解能 | 0.1mV/mA |
インターフェース | 入力端子:USB Type-A/microUSB/Type-C 出力端子:USB Type-A/Type-C USB-HID:microUSB |
物理キー | 左/上キー 右/下キー 決定/戻るキー |
備考 | 言語は英語と中国語のみ(日本語非対応) |
開封・外観
プラスチックの窓がついた缶ケースに入っていて、紙箱よりは少しだけ高級感があります。
インターフェースは、上側に電源供給/PC接続・HID用のmicroUSBと左右ボタン/決定キー、下側にmicroUSBとType-Cの入出力端子が配置されています。
値段が値段とはいえ、HID用の端子がType-Cだったら最高でした…。
左右の側面には、2.0の4ピン+3.0の7番ピンサポートのUSB Tyep-Aの入出力端子があります。
ALIENTEK UT70の機能・できること
基本的な電圧・電流・出力などの表示
USBテスターとして基本的な電圧・電流・出力などの表示画面。
UT70は0.96インチのIPS液晶を備えており、必要十分な大きさで配置もシンプルなので見やすいです。
一応…出力されているプロトコルも左上に表示されますが、内容が常に合ってる訳ではないです。
電力データの記録
出力された電力量をオフラインで記録して確認することができます。最大10200ポイントの記録が可能で1秒ごとの記録時は、最大2時間50分の記録ができます。
モバイルバッテリーやスマホの充電時に、UT70を間に挟んで容量やどのくらい電力が流れ(蓄え)たのかチェックするのに使えると思います。
eMarkerの読み取り
UT70はType-Cケーブルに内蔵されている、eMarkerの情報を確認できます。(高性能テスターと比べると簡易的)
高性能・多機能なUSBテスターでは当たり前の機能ですが、簡易的とはいえ3000円台のUSBテスターで対応している物はほぼ無く、これ目当てにUT70を買っても良いのでは?と思えるくらいです。
USB4の登場とそれに伴ってUSB-IFのロゴ等が変わる前のType-Cケーブルは、コネクタ部分に直接規格の表記がされていないことが多いので、UT70を使って家に転がってるケーブルのeMarkerを調べて、整理することができます。
良い機会だったので家に散らばってた、得体のしれないUSBケーブル群をUT70で読み取って整理しました…。
…まさかの活躍。
急速充電プロトコル(規格)の検出・トリガー
3000円台でeMarkerの読み取りも凄いですが…ダメ押しにUT70はUSBテスターとして、ACアダプターやモバイルバッテリー側が対応している急速充電プロトコルの検出もできます。
ALIENTEK UT70:検出可能な急速充電プロトコル(規格) | |
・USB Battery Charging DCP ・USB Power Delivery 2.0/3.0/3.1 ・Apple 2.4A ・Qualcomm Quick charge 2.0/3.0 ・Samsung Adaptive Fast Charging(AFC) ・Huawei Fast Charger Protocol(FCP) ・Huawei Smart Charger Protocol(SCP) ・MediaTek PumpExpress ・OPPO VOOC ・VIVO VFCP | |
(参考用)WITRN C5:検出可能な急速充電プロトコル(規格) | |
・USB Battery Charging DCP ・USB Power Delivery 2.0/3.0/3.1 ・Apple 2.4A ・Qualcomm Quick charge 2.0/3.0/3+/4+/5 ・Samsung Adaptive Fast Charging(AFC) ・Huawei Fast Charger Protocol(FCP) ・Huawei Smart Charger Protocol(SCP) ・OPPO VOOC/OnePlus Dash Charge ・OPPO SuperVOOC |
格安のUSBテスターなのに、USB PD 3.1(28Vまで)とかVFCPを検出できるのが凄い…。
ただ、流石にSuperVOOCやUFCS等には対応してないです。とはいえ必要十分。
…一応、(初期不良が無いかこっちで)軽く試させて貰った感じだと、プロトコル検出もそれなりのテスターに負けず劣らずだったので、普通に使える範囲だと思います。
もちろん、一部の急速充電プロトコルのトリガー機能も備えていて、ACアダプターやモバイルバッテリー側が対応しているプロトコルを検出した後に、検出された項目を選択することでトリガーすることもできます。
USB PDをトリガーした際は対応する電圧やPPS等を変更する都合上、擬似的にUT70でPDO(Power Data Object)を確認できます。他のテスターの様に一括表示はできないものの、工夫次第でPDOの確認にもギリ使えそうです。
電圧・電流曲線表示(VBUSオシロスコープ)
電圧と電流、D+/D-をグラフで確認することが可能。更新頻度はそれぞれ4/10/50/200/500/1000SPSから選択ができます。
DASH/VOOCケーブルの読み取り
USB Type-Aの出力端子にVOOC対応ケーブルを挿すことで、識別用ピンから情報を読み取ることができます。
ほぼOPPO系(OnePlus/realme)ユーザー向け機能です。
PCソフトウェア(ATK-UT70)
UT70はPC上で使えるソフトウェア(ATK-UT70)もあり、HID端子からmicroUSBケーブル経由でPCと接続することで使用可能です。一応…UT70のファームウェアアップデートもこのソフトから行います。(更新できるか微妙)
ATK-UT70上で、電圧・電流を記録してCSV形式で出力できたり、当然ながらUT70本体で見るよりも大画面でグラフを見ることができるので便利です。PC側から操作やプロトコル検出の実行もできます。
【PCソフトウェア(ATK-UT70)のリンク】
あとがき
HID端子がmicroUSBという点がイマイチですが…画面も見やすく、eMarkerの読み取りや急速充電プロトコルの検出・トリガーも可能で、3000円台という値段の割にかなり多機能で使いやすい印象です。
競合するであろう3000円前後のType-Cテスターに”TC66”があり、あっちも中々良いのですが、TC66だとeMarkerの読み取りには非対応で検出できるプロトコルも古く、今から買うならUT70に軍配が上がります。
USBテスターが気になってて、どんな感じか試したいけどお高いテスターは買えない…が、それなりに使えるUSBテスターが欲しいという人や、これからUSBテスターを用意してUSB周りの勉強や遊ぶ入門用に良いと思います。
擬似的なPDOの確認やeMarkerの読み取りができるのに兎に角安いので、とりあえず1つ持っておいて損は無いです。スイッチサイエンスやAmazonで買える点もオススメです。