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【レビュー】3万円で揃う中華オーディオにおける1つの”解”「TOPPING L30&E30」

2年半以上、メインのDAC複合ヘッドホンアンプとして愛用してきたFX-AUDIO「DAC-X6J」から、いい加減グレードアップしたいと考えていました。

予算的に3~4万程度かつDAC複合機ではなく、DACとアンプは別々で良さげな組み合わせを探していました。

で、海外と国内の購入者から評判が高く、組み合わせたときの統一感と費用対効果が”価格破壊”と評されていた「TOPPING L30&E30」を買ったので軽くレビューします。

スペック・仕様

TOPPING L30

TOPPING L30
サイズ約100×124×32mm
重さ354.7g(実測値)
入力端子RCA
15V AC
出力端子6.3mmステレオ
RCA
ゲイン-9.9db/0db/9.5db(3ステップ)
モジュールNFCA
TDH + N0.00007%
DNR141dB
ノイズ0.3uVrms
出力インピーダンス0.1Ω
最大出力電力3500mWx2

TOPPING E30

TOPPING E30
サイズ約100×125×32mm
重さ289.1g(実測値)
DACAK4493EQ
入力端子USB Type-B
光デジタル
同軸デジタル
DC5V(5V1A)
出力端子RCA
フォーマットUSB:44.1kHz-768kHz 16bit-32bit
COAX:44.1kHz-192kHz 16bit-24bit
DSD:ネイティブ
出力電圧2Vrms @ 0dBFS
TDH + N0.0003%@ 1kHz A-weighting
SNR121dB @ 1kHz
ノイズ2uVrms @ A-weighting
クロストーク-130dB @ 1 kHz
ダイナミックレンジ119dB @ 1kHz
チャンネルバランス0.3 dB

開封・内容物

Amazonと値段が変わらないので、ポイント還元が美味しい楽天で3万円ポッキリ(1.5k×2)で買いました。

箱の外観は白パッケージに「TOPPING」とハイレゾのロゴ程度でかなりアッサリ。FX-AUDIOみたいに茶色のダンボールで簡易梱包とは違いますね。そこは値段なりって感じでしょうか。

TOPPING L30

先にL30の方から開封。黒スポンジで中身が保護されていて、かなり綺麗に梱包されてました。

  • L30本体
  • 15V ACアダプター
  • 6.35mm to 3.5mm変換アダプター(金メッキ)
  • 保証書とか説明書の紙類

TOPPING E30

E30の方も綺麗で丁寧な梱包です。

  • E30本体
  • USB Type-A to DC5Vケーブル(5V1A) 約100cm
  • USB Type-A to B ケーブル 約100cm
  • 操作用リモコン
  • 保証書とか説明書の紙類

リモコンは単4電池が2本必要です。まぁ…リモコン無くても使えますが。私はE30の設定のためにエネループをぶちこんで、設定が終わったら使わないので箱に戻しました。

外観

TOPPING L30

オーディオ機器はシンプルが良いので、ブラックをチョイスしました。パネル部分は光沢があってテカテカしますが、ボディはマットっぽい樹脂素材(もしかしたらアルミ?)のようで質感は結構良いです。

中華オーディオ特有の、アルミ素材にヘアライン加工しただけのよくあるパターンではなくて好みです。

正面側は左側から、電源・HPA(PRE)切り替えトグル、ゲイン切り替えトグル、6.3mm出力、ボリューム。背面側はRCA入力、RCA出力、15V AC端子となっています。入出力端子には保護のキャップが装着されていました。

上面に小さくハイレゾロゴがある程度で余計なロゴなどはありません。底面に4つ滑り止めのゴムがあります。

重さは354.7gでした。

ちなみにTOPPING L30本体より、付属のトランス式 15V ACアダプターの方が重いです。ACアダプターはなんと573.1gもあります。

トランス式なので中身的にはシンプルな回路っぽいですが、スイッチング式と比べるとクソデカ重量マシマシになるのは仕方ないですね。

TOPPING E30

E30も外観などはL30とほぼ同じです。厳密に言えばE30に合わせて設計されたのがL30なので、見た目も合うように作られてます。

正面側は、タッチ操作可能な電源(操作)パネルとサンプリングレート、プリアンプ時のdbなどを表示する液晶。背面側はRCA出力、同軸デジタル、光デジタル、USB Type-B入力、DC5V端子(5V1A)となっています。

E30もL30同様に、入出力端子には保護のキャップが装着されています。

E30もL30よろしく、上面に小さくハイレゾロゴがある程度で余計なロゴなどはありません。滑り止めゴムも同様。

重さは289.1gです。

TOPPING L30&E30

L30とE30は組み合わせて使用することを目的に設計されているので、揃えたときの見た目の統一感などはとても良いです。横に並べても「あー、こりゃちっちゃくてええな」って感じですし…

サイズ的にもCDジャケットと同程度なので、重ねてもコンパクトです。

セットアップ

USBケーブルは前から使っているエレコムのオーディオ向けのものをそのまま使用、RCAにはMOGAMI 2549の50cmケーブルを用意しました。

BELDEN88760かMOGAMI 2534が欲しかったのですが、RCAケーブルに3,000円オーバーはちょっとなぁ…と思い妥協ラインのMOGAMI 2549を選定。むしろ取り回しは良好だったので結果的には満足です。

トランス式の電源は交換するとL30がぶっ壊れるらしいのでそのまま、E30も付属のDCケーブルでPCのUSB 3.0から電源供給してます。E30は5V1A(5W弱)程度しか実際に消費しないので、最大で5W前後供給できるUSB 3.0で電力的にはジョブなハズです。

一応ノイズや音質に影響がないか、5V2.4A出力の「Anker PowerCore Fusion 10000」にも繋いでみましたが…普通の機器では特に気になるようなことはなかったです。PCのUSB 3.0でも問題”は”なし。

PCと接続するとスピーカー(E30)として認識。特に何かしなくても、Windows標準ドライバーで384000Hz 32bitに設定可能でした。WASAPI排他とかの設定はAIMPとか再生ソフト側で行うので、USBポン付けのこのままでも問題ないです。

専用ドライバーを入れてみる

TOPPINGのDACは専用ドライバーがあるっぽいので入れてみました。

TOPPINGのダウンロードページから「殆どのTOPPINGDAC用のドライバー」をダウンロード。ダウンロードしたzipファイルを解凍し、中にある「1.Dliver and Installation Guide」へ移動。

中にある「Topping.UsbAudio_setup」のzipファイルを解凍し、出てきたexeファイルを実行。

セットアップウィザードに従ってインストール。

インストール後、WindowsのインジケーターにToppingのコントロールパネルが表示されるように。

専用ドライバーを入れてみたら、E30からTOPPING USB DACに名前が変わりました。

コントロールパネルの機能的にはOS側でVolumeを変更したり、フォーマットを変更したりできるっぽいです。

リモコン使わなくて良いので、まぁあったら便利程度ですね。

使ってみる

試聴環境

ヘッドホンは、2年以上愛機としてメインにしているAKG K712 Proを使用しました。ケーブルは針みたいに固くて取り回しが悪い代わりに、完全に近いくらいフラットでシャープな音質でオーオタやマニアから定評のあるBELDEN 88761の1.2mにリケーブル済みです。

TOPPING E30はDACモードでUSB接続、デジタルフィルターは既定値の3に設定。L30はHPAモード、ゲインをハイモードの9.5dbかつボリュームダイアルを時計の12時方向に設定し、62Ωでも鳴らしにくいと評判のK712 Proでも十分駆動できるようにしました。

どうでもいいですが、E30の…この何とも言えないオレンジでアナログっぽい(ニキシー管?)光り方が結構好きです。あとL30は電源以外は点灯せず、中華のDACやアンプにありがちな”ウザさ”がなくて、落ち着きがあってとても良いです。

オーディオの再生ソフトには、色々使い勝手が良くて気に入っている「AIMP」を使用。フォーマットはPCM 44100Hz 24(32)bitでAIMP側から、WASAPI排他に設定してます。

聴いた曲

音源は全て「Upconv」で一度、Mid/Side Process処理をした音源。フォーマットは44100Hz16bit mp3、ビットレートは320kbpsです。

聴いてみて

取り敢えず、明らかにDAC-X6Jとはワンランク音質が違います。すぐに違いを感じたのは低域の量感が全然違うこと。

K712 Proはオープン型の中では低域が比較的出る方のヘッドホンですが、DAC-X6Jでは「音量は」取れていてもポテンシャルを引き出せていなかったようで、TOPPING L30&E30の組み合わせで聴き直したらK712 Proがドンシャリに思えたほど、低域がしっかり出るようになりました。

中・高域は低域ほど、あからさまな差はなくDAC-X6Jでも綺麗に鳴らせてはいましたが、DACがCS4398からAK4493に向上した恩恵なのか、敢えてゴニョゴニョ言わずに「よりクリアで音が細かくなった(情報量が増えた)」と思いました。

差を表現…言語化するのは少し難しいのですが、時計の針の音で例えると…

DAC-X6J+K712 Proが「カチ、カチ、カチ…」って感じだとしたら、TOPPING L30&E30+K712 Proは「カチッ…、カチッ…、カチッ…」って、鼓膜から頭に秒針の動く感覚が生々しく伝わるような錯覚を覚える感じです。

恐らくこういうのを”解像度が上がった”とか”繊細さが増した”とか言うのでしょうか。

あとは音の分離感、広がり方がDAC-X6Jだと頭の上下・左右、奥行きが前後にそこそこあって、割かし見通しが良かったのですが…L30&E30の後だと薄いというか、良くも悪くも頭の中で聴いている感覚。

L30&E30だとK712 Proの空間表現能力をかなり引き出せるようになったのか、K712 Proの評判でよく言われる”スピーカーみたい”っていうのが改めて理解・実感できました。

音1つ1つを分解して何が何処から聴こえるのか判別しやすくなったのは勿論、「よりクリアで音が細かくなった」おかげでボーカルが何を声に出しているのかハッキリ聴けるので、初試聴などで歌詞を見なくても大体どういうことを言っているのか分かるレベルです。

こういう風に言ってるんだろうなーって思っていても、後々歌詞を調べたら全然違うじゃん…っていうのは共感してくれる人も多いと思いますが…モニタリングのリファレンスであるK712 Proで、文字通りモニタリングとしてのポテンシャルも引き出せるようになったと感じました。

まとめ:3万円で揃う1つの正”解”であり”買い”な組み合わせ(だと思う)

3年くらい前に、PC直挿しからATH-AD500X+DAC-X6Jの音を聴いて「これがマトモなヘッドホンとDAC、アンプから出る音なのか…!」「情報量が全然違うし、聴いていて気持ちが良い」とマジで感動したのを覚えてますが…あのときほど劇的に変化、感動はないです。

あのときの感覚が360p(SD画質)から1080p(FHD)になったような感覚だとしたら、DAC-X6JからL30&E30への乗り換えは1080pが1440p(WQHD)になったような感覚。

ただそれ以上に、DAC-X6JではK712 Proのポテンシャルを引き出せておらず、L30&E30でようやく本領を発揮し始めた手応えがあり、音質も1つ上のグレードの音でこの組み合わせが3万円で揃ってかなり気に入りました。

当初は予算2万円程度で、FX-AUDIOのPH-A2JとDAC-SQ5Jの組み合わせを考えていましたが…たまたま目に入ったL30が気になり、調べてみたら「L30+E30の組み合わせが最強」「性能に比べて安い」って評判だったので「どうせなら値段が高くて性能が良い方」という、典型的な選び方にしました。

予算的には上乗せする形になりましたが…妥協せずにTOPPING L30&E30で揃えて良かったと思います。L30&E30の組み合わせは、久々に”この値段なら買い”だと思う性能でした。

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