何故かvivo iQOO Neo9を手に入れてしまったので、簡単にレビューします。
まえがき
先月のAliExpressの某セール時に、Dimensity 9300を触ってみたかったので搭載端末としては安価なiQOO Neo9 Proをクーポン込みの6万円で、あまり良い評判の聞かない「Chinaphone Store」から記事ネタに購入していました。
できるなら、ブートローダーアンロック可能なメーカーの方が良いのですが、まぁ…rootが無くてもどのくらい書けるのか、とかせっかくならSD8Gen3 vs D9300みたいなことをするつもりでした…が。
2週間程度で届いたのは、Neo9 Proではなく…下位モデルのNeo9(無印)。しかも開封済みで箱がボロボロの中古品。
まぁ…Chinaphone Storeは前評判の時点で怪しいセラーで、半分博打だったのでガチャに外れた結果です。
何でも同僚が間違って送ったらしく(テキトーすぎる…)、返品(中国まで)すれば返金するとのこと。
「くぁwせdrftgyふじこlp」としか言えないので、一旦全額返金で紛争、拒否されつつレスして「返品時の送料、差額分補填でも良いからその場合の金額とか」とりあえず、想定されるケースの対応について連絡してくれって返して待つこと1日。
1日後に連絡すると言ったのに連絡来ないわで、妥協して半額分の返金で再紛争。しかし拒否だけは早く。
$100なら払い戻せると返ってきたので、中国まで返品したり諸々やるのが面倒なので100ドル(15327円)の返金を受け入れて妥協しました…。(セラーが悪いので紛争を押し通しても良かった気はします)
返金込み約45000円で美品のNeo9が手に入ったとすれば、まぁ…手間も考えて微妙に呑めなくも…。うーん?(新品の12/256GBを天猫等で輸入しても送料等を合わせると、ジャパンコインが弱すぎて5万円台…)
まぁ…いくつかの記事実験に使える想定ができて、Neo9自体はそこそこ良い端末なので妥協しましたが、仮に端末本体もボロボロだったら「◯ソが。おファッ◯ですわ!」なんですけどね…。他にやることあってそれどころじゃないってのもありますが。
某セール時に激安化したOnePlus 12は、イーロンの玩具でROMった限りちゃんと届いてたっぽいので、Chinaphone Storeの外れが上振れるとこうなるよってだけなのかも知れませんが。(正直、例のOnePlus 12買えた人がクッソ羨ましい)
vivo iQOO Neo9
スペック・仕様
vivo iQOO Neo9(V2338A) | |
OS | OriginOS 4(Android 14ベース) |
SoC | Snapdragon 8 Gen 2(TSMC 4nm N4) |
メモリ | 12/16GB(LPDDR5X) |
ストレージ | 256/512GB/1TB(UFS 4.0) |
ディスプレイ | 6.78インチ OLED (1.5K:2800×1260/1-144Hz:8T LTPO) |
サイズ | 163.53×75.68×7.99mm※¹ |
重さ | 196g※² |
バッテリー | 5160mAh(デュアルセル2580mAh×2構成) |
カメラ | 50MP(メイン:Sony IMX920 1/1.49型/OIS) 8MP(超広角:OmniVision OV08D10 1/4.4型) 16MP(フロント:Samsung ISOCELL 3P9 1/3.1型) |
インターフェース | USB Type-C(USB 2.0/480Mbps) nanoSIM×2 |
オーディオ | ステレオスピーカー Hi-Res Audio(44100~192000Hz) コーデック:aptX(Adapteive/TWS+/HD)/LDAC/AAC/SBC |
接続規格 | Wi-Fi 7(802.11a/b/g/n/ac/ax/be) Bluetooth 5.3 NFC |
防水・防塵 | – |
セキュリティ | 画面内指紋認証/顔認証 |
備考 | ※¹格斗黑/航海蓝(7.99mm)、红白魂(8.34mm) ※²格斗黑/航海蓝(196g)、红白魂(190g) 外部処理装置(iQOO Q1) |
開封・内容物
冒頭の通り、開封済み(恐らく初期設定のために?)なうえに箱がボロくなってますが…付属品や本体は無事でした。
程度の良い付属品や本体をかき集めて、適当なパッケージでニコイチ・サンコイチにでもしてるんでしょうか…。
パッケージ内容(Chinaphone Store仕様) |
・iQOO Neo9 ・ACアダプター(5V3A-20V6A/最大120W) ・USB Type-C to Cケーブル ・保護ケース ・画面保護フィルム(貼り付け済み) ・ ・マニュアル類 |
デザイン・外観
最近の中華スマホでは見慣れた、左上にカメラを”8”のような縦で配置し、ロゴがある程度の比較的シンプルで落ち着いた外観。
コストカットでプラスチック製が多い中、Neo9シリーズは背面がガラスなのでチープ感が無く良いです。
背面パネルは光沢感が強めで、反射や指紋の目立ちがやや気になります。ディスプレイ側含めてフラット形状ですが、背面から樹脂製フレームまでの部分はややカーブしているので、似たようなデザインの他機種同様に持ちやすいです。
重さは198.4gでした。レザー素材の红白魂だともう少し軽い190g前後ですが、何れにしてもサイズや諸々を考慮すると、6.8インチ前後の端末としては比較的軽めです。
【試運転・実験的な部分①】
以前までの写真を複数枚用意して”下部には〇〇・右側にほにゃらら”と記述する方式から、上記の画像結合+キャプション式にリニューアル。
ちなみにOnePlus 12のカメラ機能にある、画像内からオブジェクトを切り取る機能で”それっぽいの”を1回やろうとしましたが…物理的な影が生じないと、合成したパチモン感が何か微妙だったので不採用に。
ソフトウェア:OriginOS 4
iQOO Neo9はAndroid 14ベースのOriginOS 4を搭載。ガバい所はありつつも、日本語やGoogle関係も使えます。
一応、前々からvivoのOriginOSは触ってみたかったので、初めて触れたなりの新鮮味はありますが、2~3日経って慣れると概ね”中国版のHyperOS・ColorOS”と良くも悪くも、似た感想しか思わなかった…というか”OSに興味が無くなった”が正直な所。
アプリ郡は使わない物が多めです。中華圏の人達がどう感じてるか知らないですが、プリインアプリをかなり消せるようになってるなら、最初から入れなければ良いのに…。
通知パネル(コントロールセンター)は、通知/コントロール分離スタイルか従来のAndroidに近いスタイルを選べて、PixelなどのAOSPそのままより使い勝手が良いのは好意的に捉えてます。とはいえ分離スタイルのデザインはXiaomiの方が好き。
通知スタイルの設定が通知とステータスバーではなく、システム管理の方にあるゴチャゴチャ感が如何にも…って感じです。
OriginOSのデザイン方面は中々好きな部類。ロック画面のデザインと機能性は他に勝るかもしれない。
身構えるほどOriginOSが使いにくいとはそんなに感じず。逆にワイヤレスデバッグ関係は死ぬほど面倒なXiaomi、監視を無効化しないといけないOPPO系と違い、特に制限が無く”Shizukuインストーラー”や”Scene”が起動しやすかったのは意外。
中国版共通の使いにくい部分は、まぁ…大体言われてる通り。ランチャー変更に手間や制約がある時点で、OriginOSやHyperOSをメインにするのは(私は)無理なので、サブとかにしか使わないのでどうでもいい&ColorOSのが相対的にマシってのも、あまり感想・興味が無い原因ですが…。
ディスプレイ:1.5K・144Hzに加えてLTPO対応
iQOO Neo9は6.78インチ・2800×1260(1.5K)解像度で、最大144HzかつLTPO駆動に対応した中国内製の有機ELを採用。
フラット形状で使いやすく、1.5K解像度かつ10bit対応の鮮やかで高精細、ベゼル幅もOnePlus Nord 3 5GやNote 12 Turboの様に細くてスタイリッシュです。
Widevine セキュリティレベルはL1に対応。動画ストリーミングサービスで高画質な再生が可能です。
【試運転・実験的な部分②】
ギャラリー+記述から、テーブル内に色彩設定やDevice Infoを入れる、と…段階的に変えてきましたが、Device Infoなどのデータをのっけてるだけで(まとめて)簡略化できそうなので、まとめた1枚+HD再生確認の1枚に変えました。
各端末のディスプレイ・色彩設定やリフレッシュレートの画像は正直…役に立っていたか微妙。真似事でしかないサブピクセルの撮影も止めるか悩みましたが、一応はまだ気になる・多少興味がある部分なので続投です。
充電:120W FlashCharge対応
iQOO Neo9は、120Wのvivo FlashCharge(VFCP)に対応しています。
バッテリー残量5%から95%までの充電を、Scene 7(TOOLBOX-SCENE)で簡易計測してみると所要時間は約50分でした。WITRN C5を挟んだ時は100W近く出力されていたので、たまたまだと思います。
ACアダプター(V12060L0A0-CN/Gan採用)は、120WのVFCP以外にも100WのUSB PD(PPS)やQC 2.0、DCPに加えて33WのUFCS(融合快充)に対応しています。C to Cケーブルもvivo製・eMarker搭載の6A対応品が付属。中々の性能です。
100WのUSB PD(PPS)対応なので、スマホ以外にも大抵のノートPCを充電できる他、33WのUFCSも出力できるので、ここ最近の中国メーカーからリリースされた端末間であれば、アダプターを気にせずUFCSでそこそこ速く充電できます。
Type-C端子かつ、USB PDとUFCS両方に対応したACアダプターと端末が普及すれば、多くのユーザーが1度は苦しめられた「急速充電・独自プロトコルの複雑化によるトラブル」に悩まなくて済み、その未来は(一応)間近に迫っています。
オーディオ
iQOO Neo9はDolby Atmosに対応していない代わりなのか、”スーパーオーディオ”というエフェクトに対応してます。
文言などはDolby Atmosとかの謳い文句と大差無く、機能的に何も無いよりはあるだけマシだと思います。
いつも通り「Neutron Music Player」と、USB Type-C to 3.5mm変換アダプター(アナログ式)を使って、再生可能な周波数などを確認。デフォルト設定では48000Hz(16bit)固定でした。
ドライバー設定から、Hi-Res系の出力を許可すると44100~192000Hzまで出力可能になり、ネイティブ192KHz(24bit)のWav音源もノイズや出力低下は発生せず、しっかり再生できていました。
iQOO Neo9:Hi-Res Audio&アナログ出力テスト | ||
再生可能周波数 | Speaker:44100~192000Hz Line-out:44100~192000Hz | |
アナログ出力 | 可能(DAC非搭載の変換アダプターもOK) |
ステレオスピーカーの音質は、4~5万円台のミドルクラス相応に”普通 or 中の上”みたいなイメージです。
今まで試した中だとRedmi K60 Ultra(Xiaomi 13T系)よりは左右・音のバランスが良く、POCO F3(Redmi K40系)よりちょっと低音や迫力が下ぐらいの印象。流石にPOCO F4 GTやOnePlus 12には及ばないです。
【試運転・実験的な部分③】
Neo9もBluetoothコーデック自体は今まで通り、Bluetooth Codec Changerで確認しています。
ただ「〇〇に対応しています」と…わざわざ見出しを使って入れるほどの部分ではないと、前から感じていて尺稼ぎに思えてきたので、確認したものを冒頭のスペック表内の”オーディオ部分”に記載する形に変えました。
ベンチマークテスト
hiro・ららりらで、共通化・計測データの共有等も組み込んだ「りとらいん:ベンチマークレギュレーション」は以下の通り。
CPU Throttling Test・Wild Life Extreme Stress Testでのストレステストは、実ゲームでの性能に直接的な関係性は薄く、メーカー毎の調整等の影響もあり、安定性を確認する意味があまり無いので廃止しました。(計測自体を否定はしない)
昔、言われていた&私も取り上げたこともある「3DMarkのストレステストで最低2000を超えると最高画質の原神が快適」を証明する根拠は無く、それを満たすSnapdragon 8+ Gen 1やDimensity 8300でも60fps張り付きでのプレイは不可能。
原神を快適にできる性能を満たしたSnapdragon 8 Gen 2辺りでも、崩壊:スターレイルではGPU性能不足感があり、他タイトルも最適化の影響なども考慮しなければならす、未だに一定数いるベンチマーク結果だけをあてにする人はちょっと…。
りとらいん:ベンチマークレギュレーション Ver.1.0 | ||
ベンチマークテスト | 担当者 | |
CPU性能 | ・Geekbench 6(リネーム版) ・電力効率曲線 | hiro・ららりらで共通 |
GPU性能 | ・3DMark Wild Life Extreme(リネーム版) ・電力効率曲線 | |
ストレージ メモリ性能 | CPDT Benchmark | |
AI性能 | AI Benchmark(リネーム版) | |
簡易AIテスト | RealSR-NCNN-Android | hiroが担当 |
ゲーム性能 | 勝利の女神:NIKKE 迎撃戦:特殊個体:モダニア | |
原神/スメールシティ 夜蘭C1ランニングテスト/30分間 | hiro・ららりらで共通 | |
崩壊:スターレイル/ピノコニー(黄金の刻) 黄泉 四相断我無双移動テスト/30分間 | ||
World of Tanks Blitz その他、ゲームでの動作分析 | ららりらが担当 |
消費電力や温度、動作周波数などの詳細な測定には、Scene 7(TOOLBOX-SCENE)のadb/rootモードを利用。
加えてベンチマーク時だけ制御・性能を発揮しやすくし、スコアを良く見せてゲーム等では性能を意図的に落とす所謂”ベンチマークブースト”対策に、ApkRenamerでアプリパッケージ名をリネームしたものを共通で採用しています。
Ace 3Vの記事でららりらサンが先に言った通り、りとらいん(hiro/ららりら間)でのデータは共通・共有化。
予めMeizu 20 Proでいくつかデータを取り直してもらい、Snapdragon 8 Gen 2を3端末で簡単に比較するのに借りました。
テスト/比較端末・環境構成 | |
【OnePlus 12】 ・OS:Android 14(OxygenOS 14.0:CPH2581_14.0.0.404 EX01) ・SoC:Snapdragon 8 Gen 3 ・メモリ:12GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 4.0) ・動作:高パフォーマンスモード(OxygenOS) | |
【Redmi K60 Pro】 ・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.5.0UMKCNXM) ・SoC:Snapdragon 8 Gen 2 ・メモリ:8GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 4.0) ・動作:パフォーマンスモード(HyperOS) | |
【iQOO Neo9】 ・OS:Android 14(OriginOS 4:A_14.0.14.5.W10.V000L1) ・SoC:Snapdragon 8 Gen 2 ・メモリ:12GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 4.0) ・動作:モンスターモード(OriginOS) | |
【Meizu 20 Pro】 ・OS:Android 14(Flyme 10.5.0.0A) ・SoC:Snapdragon 8 Gen 2 ・メモリ:12GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 4.0) ・動作:- | |
【Legion Y700 2023(≒Legion Tab)】 ・OS:Android 13(ZUI 15:15.0.139) ・SoC:Snapdragon 8+ Gen 1 ・メモリ:12GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 3.1) ・動作:パフォーマンス(ゲームアシスタント) | |
【Redmi K60 Ultra(≒Xiaomi 13T Pro)】 ・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.5.0UMKCNXM) ・SoC:Dimensity 9200+ ・メモリ:12GB(LPDDR5X) ・ストレージ:256GB(UFS 4.0) ・動作:パフォーマンスモード(HyperOS) | |
備考 | ・リフレッシュレート:120Hz(144Hz) ・ディスプレイ輝度:各端末での50%固定 ・通信環境:Wi-Fi 5(5GHz接続)&機内モード |
Geekbench
Geekbench 6 | |
通常版(6.2.2) | パッケージリネーム版(6.2.0) |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (Snapdragon 8 Gen 2) | シングルコアスコア:2000 マルチコアスコア:5246 最大消費電力:11.6W |
CPU性能を計測する”Geekbench 6”の結果です。通常版とパッケージリネーム版で500スコア近くマルチ性能に差があるため、少し疑わしいです。(Snapdragon 8 Gen 2でマルチ5600超えはクーラー装着 or スロットリング無効で可)
iQOO Neo9を含めた各端末(SoC)のシングル・マルチコア性能を、リネーム版で比較したグラフは以下の通り。Snapdragon 8 Gen 2として標準的なスコアです。
最大スコア÷5/×4/+各SoC最小周波数の5点でマルチスコア・消費電力を測定し、簡単な電力効率の曲線を作成して各SoCのワットパフォーマンスを確認します。
vivo含めBLUが許可されていない端末の場合、測定点は多くても3点(パフォーマンス/バランス/省電力)程度です。Snapdragon 8 Gen 2は既にK60 Proで測定済みのため、今回はピークポイントのみで作成した場合の試験運用も兼ねます。
K60 Proの曲線・測定点と多少変動はあれど大幅なズレは無いので、iQOO Neo9とデータを借りたMeizu 20 Proは、Snapdragon 8 Gen 2機として標準的な電力効率カーブに着地すると、ピーク点のみでの結果でも大体予想できます。
3DMark
3DMark Wild Life Extreme(パッケージリネーム版) | |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (Snapdragon 8 Gen 2) | |
Overall score:3637 最大消費電力:9.07W |
GPU性能を計測する”3DMark Wild Life Extreme”で、iQOO Neo9(Snapdragon 8 Gen 2)はスコア3637でした。
CPU同様にGPUもSnapdragon 8 Gen 2として標準的な結果。4~5万円台の端末として見れば破格の性能です。
CPDT Benchmark
”CPDT Benchmark”でストレージ・メモリ性能をテスト。ファイルサイズは1GB、BufferingやCacheはOFFの標準設定。
CPDT Benchmark | |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (LPDDR5X/UFS 4.0) | |
Sequential write:896.16MB/s Sequential read:1.08GB/s Random write:31.22MB/s Random read:28.72MB/s Memory copy:16.27GB/s |
UFS 4.0採用機にしては、iQOO Neo9のストレージはシーケンシャル・ランダム性能どちらも普通です。
メモリコピー速度もSnapdragon 8 Gen 2+LPDDR5Xにしては控えめで、あまり振るわない結果に。
AI Benchmark
AI Benchmark V5(パッケージリネーム版) | |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (Snapdragon 8 Gen 2) | |
Device AI Score:2414 (Master Of A.I.) |
暫定的に採用しているAI性能テスト”AI Benchmark V5”での結果。Snapdragon 8 Gen 2端末間で差はほぼ無いです。
RealSR-NCNN-Android
機械学習性能を計るベンチマーク結果だけ見ても…大体の場合は「?」状態です。いつも通り簡単なAI性能テストとして、機械学習(AI)を用いた画像のアップスケーリングをテストします。
Real-ESRGANベースの”RealSR-NCNN-Android-GUI”で、1080×1920(FHD)の画像1枚をモデル”real-esrganv3-anime”でGPUを使って処理させ、アップスケーリング後にResultで確認可能な合計処理時間(秒)で比較。
RealSR-NCNN-Android:アップスケーリングテスト | |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (Snapdragon 8 Gen 2) | real-esrganv3-anime-x2(GPU):8.237秒 real-esrganv3-anime-x4(GPU):19.992秒 |
3DMarkで差が無かった通りGPUを使う用途でもSoCが同じであれば、余程制御を変えていない限り結果もほぼ同じです。
ゲーム性能
勝利の女神:NIKKE
フレームレートによってDPSに差が生じ、フレームレートの安定性が重要な「勝利の女神:NIKKE(メガニケ)」での性能をテスト。テストに採用している中では動作負荷が軽めなタイトルです。
コアさえ破壊すれば胴体を撃つだけで良く、最もランダム要素を排除して動作を揃えやすいため、迎撃戦(特殊個体:モダニア)でテストしています。動作検証なのでモダニアは普通にバースト(残滅モード化)させます。
戦闘狂の指揮官以外はクイック戦闘で消化すると思うので計測は1回です。逆に1回目の時点で平均50fpsを越えない場合、ストーリーの攻略や日課の消化にすら使い物にならないという目安にもなります。
メガニケ:迎撃戦(特殊個体:モダニア) | |
テストタイトルの動作目安、性能の影響について | |
影響:CPU側+SoCの最適化 推奨の目安:Snapdragon 8 Gen 1以上 | 平均フレームレート:50fps以上 最低フレームレート(1%):45fps以上 |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (Snapdragon 8 Gen 2) | 平均フレームレート:55.9fps 最低フレームレート(1%):42.2fps |
平均消費電力:6.23W 最大バッテリー温度:22.9℃ |
迎撃戦(特殊個体:モダニア)でのフレームレートは平均55.9fps、最低(1%)で42.2fpsでした。正直、微妙な結果です。
iQOO Neo9の結果から、メガニケはSoCの最適化に加えて2つの仮説が新たに(私の中で)生まれました。
- OriginOSやHyperOSといった”OS(UI)”部分の最適化も影響する可能性(OnePlus 12が60fps出ないのも…?)
- SoCの制御(スロットリング)が緩いと60fpsが出やすい可能性(K60 ProやY700はスロットリング緩め)
どちらもただの思い付きで未検証です。ただ、Snapdragon 8 Gen 2であれば完全に最適化されていない8 Gen 3やDimensityより、フレームレートが出やすいと以前まで思っていたのは違うみたいです。
今後も要検証で謎…というかほぼ、SHIFT UP側のAndroid系に対する最適化が甘いのが原因の大部分だと思いますが、一つ言えるのはメガニケがスペックゲーで無いのが確実な点。正直、Y700 2023以外はどれもメガニケに向いてないです。
平均消費電力自体はK60 Proと大差無く、動作面でK60 Proに劣るのは最適化の方の要因が強い気がしてます。
原神(Genshin Impact)
Snapdragon 855+メモリ6GBクラスに推奨スペックが引き上げられた「原神(Genshin Impact)」での性能をテスト。現在の水準だと原神はやや重め程度のタイトルです。
テストは引き続き、スメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続ける”スメールシティ/夜蘭C1ランニング”を採用。夜蘭(C1)で約4分間のルートを最高画質+60fps設定で30分間走行して計測します。
中華圏でもスマホ・タブレットの性能試験として用いられている、重いスメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続けるテストです。
Geekerwanサンのコースを参考にしつつ検証用に周回ルートを組み換えて、1周あたり夜蘭が1凸の場合約4分のコースを作成。このコースをひたすら各端末で30分間ランニングして動作検証しています。(実際のルートは以下の通り)
エネミーの行動パターンや戦闘のローテーションといった、ランダム性を排除した純粋なマシンパワーの測定です。スメールシティそのものに大量のNPCが配置され、地形も複雑なためCPUボトルネックの差も大きくなります。
原神:スメールシティ/夜蘭C1ランニングテスト/30分間 | |
テストタイトルの動作目安、性能の影響について | |
影響:CPUボトルネック 推奨の目安:Snapdragon 7+ Gen 2以上 | 平均フレームレート:50fps以上 最低フレームレート(1%):35fps以上 |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (Snapdragon 8 Gen 2) | 平均フレームレート:58.5fps 最低フレームレート(1%):53fps |
平均消費電力:5.57W 最大バッテリー温度:35.8℃ |
スメールシティ(夜蘭C1ランニングテスト)でのフレームレートは平均58.5fps、最低(1%)で53fpsでした。
原神に対するvivoの最適化はかなり上手な様で、他のSnapdragon 8 Gen 2搭載機と比べて消費電力が抑えられつつ、安定した性能を発揮できています。最低フレームレート(1%)も50fpsを超えており、文句無しに快適と言える水準です。
崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)
Snapdragon 855・Dimensity 1000+メモリ6GBクラスが推奨スペックながら、同水準な原神よりも圧倒的に重たい「崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)」での性能をテスト。
スターレイルのテストはトップクラスのGPU負荷を誇る、ピノコニー(黄金の刻)をグラフィック(最高)+60fps設定にて、一定のルートをより負荷の掛かる黄泉の秘技「四相断我」を連打して移動し、30分間計測します。
hiro・ららりらで作成した、りとらいんオリジナルのスターレイル検証テストです。
ただでさえSnapdragon 8+ Gen 1以上のGPU性能が必須となるピノコニー(黄金の刻)でのテストに、フレームドロップが発生しやすい黄泉の秘技を重ねることで、下手なベンチマークテストを超えた負荷を”実ゲームで”掛けることを目的としています。
今までのピノコニーを30分間走るテストから大体5~7fps程度平均値が低下するため、目安の値も5fps下げています。
崩壊:スターレイル:ピノコニー(黄金の刻)/黄泉 四相断我無双移動テスト/30分間 | |
テストタイトルの動作目安、性能の影響について | |
影響:GPUボトルネック 推奨の目安:Snapdragon 8+ Gen 1以上 | 平均フレームレート:40fps以上 最低フレームレート(1%):30fps以上 |
計測結果 | |
iQOO Neo9 (Snapdragon 8 Gen 2) | 平均フレームレート:42.1fps 最低フレームレート(1%):28fps |
平均消費電力:6.76W 最大バッテリー温度:47.6℃ |
ピノコニー(黄泉 四相断我無双移動テスト)でのフレームレートは平均42.1fps、最低(1%)で28fpsでした。
スロットリングが緩いK60 Proは緩さが仇となって、タブレットで放熱面の勝るY700 2023に負けてしまっています。
SoC性能・調整・放熱性能などの総合力を高水準で要求するこのテストでは、iQOO Neo9は一先ず合格と言える動作です。
Meizu 20 Proとの比較及び以前までのテストとの差分確認用に、今までのテスト内容でも測定しました。
限界テストに近い黄泉でのテストと違い、従来のテストは熱制御の緩いMeizu 20 ProやK60 Proの方がiQOO Neo9を上回る結果に。 どちらのピノコニーテストも共通してGPU性能(の維持)が重要で、タブレットなY700が8 Gen 2機に部分的に勝る要因です。
その他:フレーム補間とアップスケーリング
iQOO Neo9は、SoC以外に外部処理装置としてvivo独自のiQOO Q1を搭載しており、中国版のゲームであればゲームプレイ時にフレーム補間と自社のアルゴリズムを利用した1260pへの超解像が使えます。
正式サポートやゲームツールからワンタップでの利用は中国版に限られますが、フレーム補間はadbコマンドで強制的に有効化して全てのアプリで補間させることが可能です。(48→144や30→60への補間も可)
【https://androplus.jp/entry/vivo-iqoo-12-review/#8_Gen_2】
adb shell
gpid=`pidof -s (補間するアプリパッケージ名)`
settings put system gamecube_frame_interpolation 1:3:$gpid:48:144
上記のコマンドだと疑似144fps(48×3)化され、フレームレートを表示するカウンター等の値は48fps前後が表示されます。
当然ながら全アプリでフレーム補間可能とはいえ、全てにおいて万能ではなくネイティブのフレームレートが重要なタイトルで補間すると、60fpsでないことによる特定キャラの火力低下が生じます。(原神などでも一部キャラで火力低下有)
わざわざadbコマンドを叩かなければいけないので、OnePlus 12のようなお手軽さは無くやや面倒です。(なんならadb叩くPCの方が高性能な人も多そう…)
OnePlus 12のような自由な全アプリでの補間とvivo系の48→144/30→60を程良く合体して、ユーザー側でコマンド等不要で使えるようになって初めて、フレーム補間は未対応端末に対して優位性を示せると思います。(まだちょっと不便)
あとがき
Neo9じゃなくて”Neo9 Pro(Dimensity 9300)”が本来は欲しかったのに、Chinaphoneにやらかされた時点で敗北者ですし、その段階からゲンナリだったので、望まず手に入れたNeo9に対して(記事含め)かなり省エネ感は否めません…。
ただまぁ…Snapdragon 8 Gen 2採用機の中だとNeo9と、OPPO系のOnePlus Ace 3・Ace 2 Pro辺りがかなり費用対効果が良く、メインカメラはそれなり、見た目良しで軽め、ゲーム性能とSoCの調整も優秀…と、Neo9も中々良い端末です。
やらかされたとはいえ大損こいた程でも無いし、BLU可能な以外は微妙なK60 Proより有能な8 Gen 2機なので手元に残すのも…。
出会い方が悪くなければNeo9もポジティブに接することができたはずなので、やっぱりChinaphone Storeおファックですわ。
コメント
費用対効果が高いとのことですが、他の8gen2機と比べて軽いのもNeo9の優れてる点ですよね。OnePlusAce2Pro・Ace3、RedmiK60Pro・K70はいずれも210g近くあったはずです。k70を使っていますが重くて腕が疲れますね…
Exactly(そのとおりでございます)。
SoCの調整もXiaomiやOPPOと違い、vivoは上手なのでBLUを考慮しなければ8Gen2端末の中で、Neo9はベストバイな存在です。