去年イオシスで買った、OEM・玄人向けのおもちゃAndroidタブレット”UATTAB001”を置き換えるために、今となっては化石なAlldocube iPlay 20P(Helio P60)のほぼ未使用品を買いました。
ブートローダーアンロック、Android 13(GSI)を焼いて新しいおもちゃにしたので簡単に残します。
まえがき
たまに記事にすることがある「文鎮化・壊れてもどうなってもいい雑に使う玩具」で、1万円以下・低スペック縛りの中で買っているAndroid端末の新入りとして、じゃんぱらで中古Aランク品(約9000円)を購入。
UATTAB001(MT8168)は無駄に壊れてないのでまだ使えますが…4コアのMT8168+メモリ2GBの”もっさりを超えた何か”の動作感に耐えられなくなり、去年のGSI焼き等のカスタム内容が微妙なのも相まって、もう少しマシなスペック&BLU可能なおもちゃを探していました。
新品(1万円以下)+他メーカー込みで探しても、大体UATTAB001と大差ないオンボロスペックで…。
マイナー過ぎるとGSI焼きでトラブった場合復旧しづらく、あんまりにも低スペな物を今まで選び過ぎてきたので、腐ってもHelio P60+6/128GBに加えて元に戻しやすいということで、iPlay 20Pの中古に手を出しました。
【今までの雑に使った玩具達※全部Snapdragon 810以下】
- Android One S1(Android 9:Snapdragon 430・2/16GB・1980円→1000円で売却)
- TOSHIBA A205SB(Android 5.0:Atom x5-Z8300・2/16GB・4700円→1000円で売却)
- UATTAB001(Android 11→12L化:MT8168・2/16GB・5980円→ジャンク500円で売却)
Alldocube iPlay 20P
Alldocube iPlay_20P | |
OS | Android 11(AOSP) |
SoC | MediaTek Helio P60(TSMC 12nm) |
メモリ | 6GB(LPDDR4X) |
ストレージ | 128GB(UFS 2.1) |
ディスプレイ | 10.1インチ IPS LCD (1920×1200/60Hz) |
サイズ | 242×168×8.7mm |
重さ | 527g |
バッテリー | 6000mAh(5V2A=10W) |
カメラ | 5MP(メイン:-) 2MP(フロント:-) |
インターフェース | USB Type-C(USB 2.0) microSD(最大128GB) |
オーディオ | ステレオスピーカー 3.5mmステレオミニジャック |
接続規格 | Wi-Fi 5(802.11a/b/g/n/ac) Bluetooth 4.2 デュアルSIM 4G LTE |
化石です。ざっくり2018~19年のミドルスペック相当。
ただ…UATTAB001に比べれば、Helio P60+6/128GBでも圧倒的にマシなスペックです。
開封・外観
Alldocubeに手を出したのは初めてですが、わりとパッケージに気合が入ってるのか思ってたよりしっかりしてます。中古Aランクながら”ほぼ未使用”な状態で、初期フィルムすら貼られたままの当たり(?)でした。
一応…iPlay 20Pは2021/9辺りにリリースされたみたいですが、2021の端末にしては全体的に「古い感じの端末だなぁ」という印象です。(Y700 2023比だと余計に)
ソフトウェアと簡単なベンチマーク
中身は”ほぼ”AOSP寄りなAndroid 11。このままでも(多分)軽いと思います。
Device Info HWで見た、ざっくりした内部スペック。
腐ってもHelio P60に加えて、ストレージがeMMCではなくUFS 2.1なのがミソです。
ついでに新品でも1万円クラスのタブレットだと1280×800が未だに蔓延ってますが、iPlay_20Pだと中古とはいえ1920×1200(WUXGA)なのも◎。
一応…簡単にベンチマーク。Helio P60なので性能的には、2023年に物議を醸したRedmi 12Cが近いです。なのでたかが知れてます。
計測結果 | |
【Geekbench 6】 ・シングルコアスコア:325 ・マルチコアスコア:1262 | |
【比較データ(ざっくりSD660相当)】 ・Google Tensor(1148/3479) ・Snapdragon 870(1308/3458) ・Snapdragon 4 Gen 2(925/2172) ・Snapdragon 720G(755/1797) ・Kirin 710(333/1059) ・Snapdragon 810(226/449) | |
【Wild Life】 ・スコア:650 | |
【比較データ(ざっくりSD4Gen2相当)】 ・Snapdragon 870(4353) ・Snapdragon 855+(3429) ・Snapdragon 845(1690) ・Snapdragon 720G(977) ・Snapdragon 4 Gen 2(667) ・Kirin 710(493) | |
【CPDT Benchmark】 ・シーケンシャルライト:233.22MB/s ・シーケンシャルリード:259.18MB/s ・ランダムライト:7.48MB/s ・ランダムリード:6.66MB/s ・メモリコピー:3.85GB/s | |
確かにUFS 2.1/LPDDR4X並み(OPPO A54やRedmi Note 9S)の性能 |
GPU単体ならこの前のSnapdragon 4 Gen 2(Redmi 12 5G)に近く、ストレージとメモリはローエンド帯のUFS 2.1/LPDDR4Xっぽい性能です。
ただしUFSなのか若干怪しく、eMMCとそんなに変わらない速度…。
Android 13(GSI)化
ブートローダーアンロック&Android 13(GSI)化
こっから本編。GSIは昔、12 Turboに焼いたArrowOS-13を焼きました。手順も当時とほぼ同じです。
adbデバッグ&MTKドライバー導入済みのPCと、OEMロック解除許可済みのiPlay_20PをFastboot Modeで接続。
MediaTek製SoCでよく見かける文字のちっさいFastboot Mode上で、”fastboot flashing unlock”を実行し、ボリュームアップキーでブートローダーをアンロック。
アンロック後、Fastboot or リカバリーモードで”fastboot reboot fastboot”を実行して、iPlay_20PをAOSP系で見かけるFastbootDモードで起動。
いつも通りGSI焼きで使うコマンドを順に実行。論理パーティションのワイプは多分不要ですが…念の為。
adb reboot bootloader
fastboot reboot fastboot
fastboot erase system
fastboot -w
fastboot delete-logical-partition product_
内部パーティション清掃後、用意したGSIをflash systemで導入、GSIの書き込み後にユーザーデータ等を消去 or リカバリーから初期化して再起動。
fastboot flash system
fastboot erase userdata
fastboot erase metadata
fastboot reboot
万が一でもAlldocubeの端末なので、ファームウェアがネット上で公開されていてSP Flash Toolで復旧可能、GSIが焼けるだけのUATTAB001なんかよりも冒険・玩具にしやすいです。(アレもMTKClientでどうにかなるが…)
追加したアプリとMagiskモジュール
iPlay_20Pでの変更は、UATTAB001をAndroid 12L(crDroid)に改造した際の無駄な部分の見直しが主です。
まぁ…低スペックなハードウェアに起因していたり、元々正体不明な端末だったが故なので素性の分かってるiPlay_20Pだと、無理なことをしなく済む時点で大体は見直しが済んでます。
【UATTAB001(Android 12L)での内容】
- Activity Launcherでバグのあった設定に変わるショートカット作成→ArrowOS(Android 13)が安定しているので不要
- 物理メモリ2GBをマシにするため、zRAM Swap Managerで3662MB分のzRAMを構築→RAM6GBなので不要
- オーディオ出力が機能しない問題→ファームウェア公開もされてるiPlay_20P+ArrowOSでは問題無し
とりあえず、公開されてるファームウェアのboot.imgにパッチしてサクッとMagisk(root)を取得し、ADB AppControlで要らないアプリを消して、アプリとモジュールの追加を最低限に。
【追加したアプリとモジュール諸々】
- ファイルマネージャー+/kiwi Browser/Niagara Launcher/SMFF:ド定番で愛用中(SMFFはただのCPU/メモリ使用量確認)
- Aurora Store&Services:Googleアカウント不要の代替Store、とAurora Storeのインストール簡略化モジュール
- De-Bloater:Magisk環境で動くシステム含めたアプリの無効化(削除)ツール(root権限で単体動作するadbACのようなもの)
- FDE.AI:パフォーマンス最適化などのオプティマイザー。固有の最適化を含まないGSIでは有用&充電停止機能追加用
- PipePipe(AnimePipe):NewPipe派生のYouTube・ニコ動・bilibiliなどがアカウント&広告無しで視聴できる凄い奴
- Pix-EzViewer:本家pixivより圧倒的に優れたpixivビューワー(PixShaftも◯)
- Gallery QuickPic:やっぱりGallery QuickPicがギャラリーアプリとしては使いやすいので離れられない…
- Phh Treble Settings Japanese:Re*Index=サン作のPhh Treble Settingsを日本語化するモジュール(あって損はない)
- Universal Thermal Killer:SoCのサーマルスロットリングを無効化、CPUクロックがGSI等で制限される問題の回避
クリーナー関係もFDE.AIで賄えるのでFDE.AIに統合&電源繋ぎっぱなし運用は相変わらずなので、90%で充電停止も設定。モジュールとアプリが増えますが…AccAでも可。
マクロを組む or コーヒーアプリでディスプレイの自動消灯を無効してましたが、ArrowOS標準のカフェイン機能で同じことができるので、こちらも別途追加が不要になった関係でMacrodroid等も不要に…。
ArrowOS(Android 13)&追加したアプリがオープンソースで軽量なアプリが多いことに加え、FDE.AI+Thermal Killerで限界突破したので、Helio P60で6GBなわりにSD480や720G並みに軽快に動いてる印象。
1920×1200(WUXGA)で無駄に128GBなので、iPlay_20P単体でPipePipeから動画を落とす or そのまま、電源繋ぎっぱで垂れ流すのに丁度良い端末になりました。単体で完結してるので管理が楽です。
焼き付きとかバッテリー劣化を気にせず、雑に使い潰せて遊んでも復旧しやすいし、(頑張っても)ストレージ内のメディア再生用途くらいしか使い道が無いUATTAB001とおさらばできて、想像以上に満足です。
あとがき
そんなに興味が無かったですが、MediaTek SoC搭載のAlldocube端末は玩具に中々良かったのでiPlay_20Pが逝った場合、低スペシリーズにはAlldocubeをまた選択肢に入れるかも。
それにしても…2500台以上あったUATTAB001、(値下げされたとはいえ)イオシスの在庫がよく捌けたなぁ…と