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WITRN C5レビュー:見た目も変えられる、高性能でユニークなUSB Type-Cテスター

USB Power Meter(USBテスター)は既に、AVHzY C3(YK-003C)を持っていて特に不満は無いです。が、物色中に見つけたWITRN C5をどうしても欲しくなってしまい…衝動買いしたので簡単にレビューします。

スペック・仕様

WITRN C5
CPUARM Cortex-M4F(240MHz)※高速32位 带FPU硬件加速单元
ADC16/20bit独立ADCチップ(C4/C5:INA237 16bit・C5紅:INA228 20bit)
ディスプレイ1.47インチ IPS LCD(320×172)
サイズ約50.8×22.8×10.8mm (Type-Cオスコネクタを除く)
重さ約20.5g(実測値)
測定電圧・電流電圧:3.3~48V(C4/C5)
電流:6A(C4/C5:10A短期ピーク値)
分解能電圧:0.0001V
電流:0.0001A(双方向電流検出)
インターフェースUSB Type-Cオス・メス:24Pパススルー/PD3.1/USB4/Thunderbolt サポート
USB-HID(Type-Cメス):16P(ファームウェア更新・PC接続用)
物理キーBACK:メニューキー/リターンキー/終了
OK:確認/実行/保存/決定
+/-:画面インターフェース移行/調整/選択(+/-)
3ポジション PD物理トグルスイッチ
備考‎AVHzY C4/C4L=WITRN C4/C4L
WITRN C5=C4の仮想eMarker強化版(?)、その他機能はほぼC5≒C4
※日本語非対応
(スペック参考元:witrn.com/avhzy.com)

開封・外観

送料無料&迅速配送対応だったのでAliExpressで買いました。京東とかでも売ってますが、C5(Red-20bit)単品で買うならアリエクの方が諸々込みでも安いです。(本当は灰色が良かったのは内緒…)

パッケージは軽い事前調べで見た他のWITRN製品同様に白い箱。裏に仕様とか説明が簡易的に記載されてます。

他のUSBテスター群同様に缶ケースに本体が入っているのみでした。大陸の方から買うと缶ケース、リブランドモデルを国内で買うと紙箱の法則でもあるんですかね…?

入出力・PC接続ポート全て、YK-003CやKM003CのようにType-C端子なので便利です。

基本的な操作はUSB-HIDポート横にある4つの物理キーで行います。慣れるまではマルチキーなUSBテスターのが使いやすいです。下側にあるPD物理トグルスイッチはモード切り替えで使う様です。

裏に各ポートやモデルの表記。本体はトルクスネジで固定されてます。質感が良くて触るとひんやりしてるので筐体はアルミだと思います。

DFUモード・ファームウェアアップデート

WITRN C5(C4/C4L)向け共用ファームウェアの新しいVerが出てたので先にアップデートと、何回か使用することになるアップグレードモード(DFUモード)に触れておきます。

ブートローダー的なWITRN C5(C4/C4L)のアップグレードモード(DFUモード)は、画面OFF状態で”OK”の物理キーを押しながらUSB-HIDポートでPCと接続すると起動します。

接続した状態で公式のアップグレードソフトウェア”WITRN MeterUP”を開き、WITRN C5(C4/C4L)向け共用ファームウェアを選択して”Upgrade”を実行すると更新できます。

WITRN C5の機能・できること

電圧・電流・出力の測定/プロトコルなどの詳細表示

USBテスターとして基本の”き”です。VBUSの電圧・電流をP1インターフェースで測定/表示できます。

フルサイズのテスターには大きさ的に劣るかもしれませんが、1.47インチのIPS液晶に320×172で情報が詰まってるので、比較的見やすいです。AVHzY C3も綺麗で見やすいですが…大きいことは良いことです。

G-Sensorがあるので画面の自動回転には対応しています。WITRN C5は電源供給が無くなると直ぐに落ちるタイプです。

P1インターフェースから+キーで2回進むとVBUSの電圧・電流に加えて、(AC⇔端末間で)ネゴシエーションされているプロトコルやWITRN C5の接続方法などを含めた詳細表示(P3)も可能です。

容量統計/バッテリー効率の計測

P2インターフェースでは統計の表示・記録ができます。”OK”の物理キーで1~6を切り替えて6つまで内容を記録でき、キー長押しで統計をリセットできます。

P2で”BACK”メニューキーを押すとToolが表示され、モバイルバッテリーやスマホの充放電効率をテスト・比較する”Battery effocoency”機能などを利用できます。地味にwhからmAhへの計算機能が付いてます。

”Battery effocoency”以外だと、高機能なUSBテスターで見かける”Apple充電器のシリアル番号・データ表示機能”、eMarkerの読み取り機能や後から追加されたっぽい”Cable Resistance”機能がありました。

eMarker読み取り/Virtual EMark(仮想eMarker)機能

WITRN C5専用(C4/C4L非搭載?)機能として、USBテスターとしてのeMarker読み取り機能に加えて、読み取ったeMarker情報をコピーして”copied emark”に保存、Virtual EMark機能で呼び出したりできます。

DFUモード状態のWITRN C5と接続して、WITRN MeterUPの”Virtual EMark Setting”でC5とEMarkを読み込んだり、書き込んだりできます。存在しないデタラメなeMarker情報も作成できてしまいます。

Type-Cガチ勢(オタク)・開発側や遊び人向けの機能で、個人的には下手に触れない機能です。

使い所はType-Cガチ勢じゃないのであまり思いつきませんが、例えばOnePlus(OPPO)10AケーブルのeMarkerをC5にコピーして、5A以上のケーブルを介さずにCポート直挿しで65WのUSB PDをトリガーするとか…?

急速充電プロトコル(規格)の検出・トリガー/USB PD PDOの読み取り

USB Power Meter(USBテスター)を購入する大多数の人は、これ目当てで買ってる気がします。WITRN C5も当然ながら急速充電プロトコル(規格)の検出ができます。

WITRN C5:検出可能な急速充電プロトコル(規格)
・USB Battery Charging DCP
・USB Power Delivery(PPS)
・Apple 2.4A
・Qualcomm Quick charge 2.0/3.0/3+/4+/5
・Samsung Adaptive Fast Charging(AFC)
・Huawei Fast Charger Protocol(FCP)
・Huawei Smart Charger Protocol(SCP)
・OPPO VOOC/OnePlus Dash Charge
・OPPO SuperVOOC
参考用:AVHzY C3(YK-003C)
・USB Power Delivery(PPS)
・Apple 2.4A
・Qualcomm Quick charge 2.0/3.0/4+
・Samsung Adaptive Fast Charging(AFC)
・Huawei Fast Charger Protocol(FCP)
・Huawei Smart Charger Protocol(SCP)
・OPPO VOOC/OnePlus Dash Charge/Warp Charge
・OPPO SuperVOOC
・MediaTek PumpExpress(2.0)

WITRN C5は急速充電プロトコル(規格)の検出とUSB PD PDOの読み取りを一度にやってくれます。プロトコル検出後に”OK”の物理キーを押すと、そのままPDO(Power Data Object)も表示できます。

PD ProtocolからPD3.0や3.1EPRをトリガーしたり、トリガーする都合上…こちらからもPDOを確認できます。

加えてWITRN C5は小米魔改PD(PPS)…もとい、Xiaomi MIPD(MI PPS)の検出・トリガーにも対応しています。

試しに120Wで窒化ガリウム(GaN)採用の”MDY-14-ED”をWITRN C5に見てもらうと、特殊プロトコルを示す青色でPPSが表示されて”Auto Detection MI”となっていました。

MI-PD Protocolは120W Auto~210Wまでトリガー可能です。Type-AからUSB PDを吐き出すXiaomi 120W ACアダプターはWITRN C5曰く、USB PD(Fixed)で20V3.25Aまで対応してますが、PPSは特殊かつ制限があります。

他にもUSBテスターで一般的なQCや、まだ数の少ないUFCS(融合快充)のトリガー機能もあります。

中国版のAndroid端末は割りとUFCS(融合快充)の導入を行っているようで、OnePlus 12付属のACアダプター辺りで33W出力のUFCSに対応しており、WITRN C5もちゃんとトリガーや内容の確認が可能です。

【WITRN C5(C4/C4L)シリーズ急速充電デセプションメニュー】

  • 1:急速充電プロトコルの自動検出
  • 2:USB PD プロトコル (PD2.0/PD3.0/PD3.1)
  • 3:MI-PD プロトコル(120W Auto~210W)
  • 4:QC プロトコル(2.0/3.0/3+)
  • 5:Huawei SCP偽装
  • 6:Samsung AFC偽装
  • 7:VOOCシリーズ偽装(VOOC WARP/SVOOC1.0/SVOOC2.0)
  • 8:VIVO FlashCarge(VFC)
  • 9:UFCS(融合快充)
  • 10:Apple 5V充電加速(???)

USB PD Analyze/PD View機能

WITRN C5(C4)にはテスター単体でUSB PD Analyze/PD Viewの機能があります。(C4Lは無いらしい)

備わってても特に文句は無いですが、わざわざ1.47インチのWITRN C5(C4)単体で見るかと言われれば…。

PDリスナー(アナライザー)機能としてはWITRN C5単体より、AVHzY C3+SHZUKU TOOLBOXの方が圧倒的に使い勝手が良いです。PD Viewはうーん…詳細表示(P3)でも事足りるしなぁって感じです。

電圧・電流曲線表示(VBUSオシロスコープ)

最後のP4インターフェースは電圧・電流曲線表示(VBUSオシロスコープ)機能です。

WITRN C5(C4/C4L)シリーズの最大サンプリング周波数は2MHzだそうです。

VBUSオシロスコープはWITRN U3(8MHz)の方が高性能なので(多分)、U3同等クラスのサンプリングレート8Mspsに対応したAVHzY C3(YK-003C)に分があると思われます。(オシロスコープ使わないので分からない…)

WITRN Meter soft(PCソフトウェア)での表示

SHZUKU TOOLBOXと比べると、簡易的な測定しかできないのでほぼ使わないです。

WITRN C5(含めWITRN製品)は、USBテスターとしてのハード・性能は一級品ですが、ワンマンというか…他テスターのソフト+ハードウェアのバランス・使い勝手に比べると、テスター本体が高性能なだけという印象です。

WITRN C5(C4/C4L)のダイヤル・ウォッチフェイス変更機能

WITRN C5(C4/C4L)シリーズの目玉機能の1つが、ダイヤル・ウォッチフェイス(要するに見た目)を変更・書き換えられる機能です。(P4インターフェース→P5:スクリーンOFF→P0:ダイヤル・ウォッチフェイス表示)

デフォルトではWITRN C5(C4/C4L)シリーズのシステムに内蔵された、「宇宙飛行士ダイヤル(默认为太空人表)」が有効化されていて、起動中に延々と宇宙飛行士がクルクル回り続けます。

書き換えはわりと簡単で、WITRN C5(C4/C4L)をDFUモード状態で起動してPCと接続。予めWITRN公式から編集ソフトと書き換えたいダイヤル・フェイスをダウンロードしておきます。

WITRNのダイヤルエディターを起動し、BMP形式の画像とレイアウトのc4cfgをWITRN C5(C4/C4L)に書き込みます。書き込み時にテスターが起動し直すのは仕様なので、2回DFUモードで書き込みが必要です。

参考にする人がいるか不明・微妙ですが、エディターの画面を翻訳に突っ込んだ奴を置いときます。

画像とレイアウトを2回DFUモードで書き込めていれば、ダイヤル・ウォッチフェイスに反映されます。ちなみに宇宙飛行士ダイヤルは固定なので、”OK”の物理キーを長押しすると宇宙飛行士に切り替わります。

ダイヤルモールで配布されているものでもOKですが、画像自体は320×172でBMP形式なら自由なので、レイアウト含めて好きなように変更できます。性能に関係無い部分だけどこういう遊びは大好きです。

1.47インチで320×172の綺麗なディスプレイは、このためにあると言っても良いかも知れません。

読者サンもWITRN C5シリーズを買って、萌えテスター・推しテスターを作って遊びましょう()

あとがき

WITRNのPCソフトウェアが微妙な以外は、WITRN C5を衝動買いしたけど後悔はなく満足です。

USB Power Meter(USBテスター)はAVHzY C3で困ってなかったので、WITRN C5は完全にオーバースペックで持て余してます。(見た目変更込みでも下位モデルのC4Lで十分だった説)

スペック的にはWITRN C5が上ですが、何だかんだ言ってAVHzY C3+SHZUKU TOOLBOXの使い勝手と扱いやすさから離れられないので、Type-Cテスターとしては今後もC3がメインでC5は浪漫枠かな…。

おまけ

WITRN C5(C4/C4L)シリーズで使うことになるファイルと、公式の説明を翻訳に突っ込んでPDFに投げた物をまとめた「WITRN C4・C4L・C5 スターターセット.7z」をファイルなうに放逐しました。

WITRN C4・C4L・C5 スターターセット.7z
windowsdesktop-runtime-3.1.25-win-x86WITRNのソフトウェアを動作させる際に必要な奴
C4_Firmware_V5.6WITRN C5(C4/C4L)向け共用ファームウェア Ver5.6
WITRN_USBMeterUP_V24ファームウェアアップデート/Virtual EMark Settingツール
Meter_soft_V3.0一応
ダイヤルエディターWITRN C5(C4/C4L)のダイヤル・ウォッチフェイス変更
野蛮女友記事内で書き換えた文字盤
WITRN_C4C4LC5 PD3.1 EPR USB電圧電流計取扱説明書説明書を翻訳に突っ込んでPDFに投げた物(ガバガバ)
C4C4LC5 ダイヤルエディターの取扱説明書エディターの説明を翻訳に突っ込んでPDFに投げた物

WITRN C5(C4/C4L)シリーズを買った人は良かったらどうぞ。(多分、自力で何とかできるだろうけど…)

コメント

  1. tomoca2 より:

    詳細レビューありがとうございます。KM003Cありながら、C5も欲しくなってしまいましたw

    • hiro より:

      テスターとしての性能は、ケーブル偽装とか一括検出からUFCSも読めるKM003Cに軍配が上がるかなーと。(C5だと不可)
      まぁ、一括検出で読めないだけでC5もUFCS等に対応してて、eMeker関連と着せ替え機能があるので一長一短ですね…。
      どっちかで良いと言わずに、KM003CとC5で両刀が割と最強かも?

      • tomoca2 より:

        C5 7千円で買えたので到着したらKM003Cとの比較表作ってみます。
        最近手に入れたUT70もなかなかお気に入りで

  2. チョコ より:

    C4Lのアップデートをしたいのですが、アップデートに必要なソフトをどこからダウンロード?開くのか分かりません教えて貰えますか?

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