中国版のHyperOSをroot化してK60 Ultra使用していましたが、やっぱり使いにくいのでクリーンアップも兼ねて、HyperTN ROMを導入しました。
準備・使ったもの
K60 Ultra(CN版HyperOS)からの移行なので、CN ROMの焼き直しはしてないです。(2024/9/3:DLページが変わったので更新)
以下、MIUITN ROMのHOMEページにある説明を、Gemini 1.5 Proで日本語に翻訳したもの。
MIUITNは、Thang Nguyen氏によって開発された、Xiaomiデバイス向けのAndroidカスタムROMです。中国版ROMをベースに、Google Playストアや日本語を含む多言語に対応し、不要なアプリを削除するなどの改良が加えられています。
【対応機種】
- MIUI 12、12.5、13、14
- Android 10、11、12、13
- 中国版ROMが提供されているすべてのXiaomiデバイス
【特徴】
- 標準設定: Root化なし、RWアクセス許可(EXT4パーティションのみ)、暗号化なし
- Google Playストアの認証問題の修正: Google Payや一部の銀行アプリで発生するGoogle Play Protect(Play Integrity)の認証エラーを修正
- 多言語対応: EU ROMと同様に多言語に対応
- 不要なアプリの削除: 不要なサービスやアプリを削除
- フォントの変更: @Hiends29氏によって編集されたHelveticaフォントを使用
- 通知関連の修正: アプリの通知表示、Googleアシスタントの「OK Google」の動作、通知音、ロック画面での通知表示などを修正
- 署名検証の無効化: 署名付きのAPKファイルもインストール可能(Core Patch不要)
- その他: 検索機能の追加、テーマの変更、システムアプリの無効化、FPS制限の解除、Googleフォトの容量無制限化、キーボードの拡張機能、電源ボタンの動作改善、90Hzリフレッシュレートの有効化、スピーカーのクリーニング機能、Google Playストアのプリインストール、自動復元機能の無効化、ダークモードの修正、Googleマップの時間表示の修正、アプリの追加など
インストール
Redmi K60 Ultra/Xiaomi 13T Proを(adb reboot bootloader等で)Fastbootモードにて起動し、adb環境(PC)とUSBデバッグ接続。
ダウンロードしてきたHyperTN ROMのzipファイルを解凍し、中にあるinstall_Fastbootのbatファイルを実行。(Recoveryからも可)
初回・クリーンインストール時は”n”、HyperTN導入済みでアップデートする場合は”y”を選択して実行。後の作業は全て自動で行われます。
導入完了後、自動的に再起動してXiaomi HyperOS(TNROM)が起動します。euROMと全く同じで、比較的簡単に導入可能です。
使ってみる
MIUIベースの頃は日本語非対応だったらしいですが、HyperOSベースになった(日本語訳に誰かが加わった?)ことで日本語に対応しました。
CN版HyperOSから中華系アプリが除去され、viaブラウザやGoogleに変わってます。ウィジェットはCN版の物を使えます。
Googleサービスは中華の後入れ式、キーボードはGboardに置き換わってます。
CN版にGboardを後入れした場合と違い、キーボードの強化(多機能)が問題無く動作するので、間隔が設けられてスワイプの誤作動が起きにくいです。
ダブルタップでのON/OFF、アプリアイコンを隠す機能、壁紙ズーム無効化や縦配置タスクに対応。コントロールセンターは変更不可でした。
タスクの配置はiOS風です。QuickShareや拡張された電源メニューも最初から対応していて、使い勝手は良好。
メモリ拡張は12GBまで可能、UFS 4.0ならまぁ…使っても良いかもです。90Hzリフレッシュレートも追加されています。
80%までの制限付き充電は項目が存在しているだけで、実際は80%を超えても止まりません。AccAで指定した方が良いです。
USBデバックの10秒制限等がCustoMIUIzer(Pengeek)導入時と同じで待たなくても良くなっています。(そもこの表示自体が無駄…)
apkインストール時やセキュリティデバックはSIM挿入(と確かmiアカウントログイン)しないと、突破できないCN版仕様のままでここだけ微妙です。
タスクキルがCN版から改善されて、アプリ(タスク)ロックでもアプリを閉じると、すぐkillされていたCN版のHyperOSと違い緩めになってます。
HyperTNが日本語対応になったことで、日本語化&後入れQuickShareのモジュール、10秒スキップや拡張された電源メニュー/ダブルタップON・OFFなどの機能拡張にPengeekを入れ無くても良くなり、グローバルROMほど余計なGoogle系アプリ、CN版の中華クソアプリがそれぞれ抜かれて、丁度良い塩梅のHyperOS系カスタムROMになっている印象です。
apk部分とセキュリティデバック部分のみ面倒で残念なままですが、Xiaomi端末をBLUしてカスタムROM入れるような人にとっては大きな問題ではないので、euROMでもHyperTNでも好きな方で…と言えるレベルには使えますね。(あと割とColorOS系レベルで軽め)
ベンチマーク
HyperTNではK60 Ultra(Pixelworks X7)の超解像・フレーム補間は、ゲームターボに追加すると全アプリで”表示”されます。スマートフレームレート/超解像それぞれにON・OFFが付いてますが、個別に有効化できるようになったわけではなく…CN版と同じで超解像のみは無理でした。
(追加したら)全アプリで表示されるので「HyperTN化で人気の無いK60 Ultraでも全アプリ補間か!?」と淡い期待をしましたが、”表示”されてるだけでON/OFF切り替えても何も起きません。K60 Ultraの補間・超解像は対応アプリのパッケージ名で判定してるので当然ですね…。
クロック自体は3.35GHzまで動作しますし、後述する温度制御を危険状態でも試しましたが…相変わらずK60 Ultra(恐らく13T Proも)だとDimensity 9200+のGeekbench 6の値は中華圏より低いです。5000前後出るか微妙ですし、9200無印や8300に劣るのは何だかなぁという。
1.15GHz上限なのでWild Life Extremeの値は8 Gen 2と同等以上。ちなみに1.15GHz(直ぐにクロック低下)なので実際は1.1GHzより下です。
CN版HyperOSから中華アプリ除去、ほぼアプリを追加してないのでGeekbench 6での電力効率含めたCPU性能はマシになってます。
ゲーム性能はうーん…まぁ、ベンチ番長にすらなれなかったK60 Ultraなので、何と言うか…。864pで再計測した原神もY700 2023(平均57fps)に劣り、動作のホワイトリストに恐らく入っていないであろう、ゼンゼロとエクスアストリスでは微妙、スタレ(黄泉ベンチ)は30fps台で…。
Xiaomiも性能が出るように調整したであろう原神以外はハイエンドとしての性能は何も無い、今後導入する新しいベンチマーク内容だと噛ませ犬筆頭候補です。(CN版でゼンゼロ等でも周波数・電力制限が無くなれば、後々TNにも反映されてマシになると思いますが…)
Dimensity 9200+にわからされてしまう
レビューした際に書いた通り、Redmi K60 Ultra自体には全く興味が無く、Dimensity 9200+自体もあまり遊べてないのでHyperTN化のついでに軽く遊びます。
Wild Life Extremeで作成した旧電力効率では、GPUクロックを1.15GHzとして動作させましたが、完全には固定できてないです。
というか…1.15GHzで固定するとどうなるか…は、敬愛する极客湾サンの動画から把握していたので、1.15GHz(周波数低下を許容)じゃないとマトモに動かない&1.15GHz固定で使うユーザーは物理的に存在しないと思うので、妥協した不完全なままの電力カーブを作成。
何故、物理的に存在しないかって話ですが、Dimensity 9200+のGPU周波数を完全に1.15GHz固定の状態で運用することは不可能で、その消費電力はダミーバッテリー経由ですら、悪名高きSnapdragon 8 Gen 1が裸足で逃げ出すレベルな19Wに到達&ベンチ完走不能の化け物なので…。
というわけで今後の新しいベンチマークと、Geekbench 6の値(5000前後)を拝むためだけに、Dimensity 9200+の限界に再チャレンジ…した副産物の一発芸を披露(?)。Geekbench 6は結局4780前後で消費電力が増減するだけだったので、再挑戦してもあまり意味は無かったです。
SceneでMIUI(HyperOS)の温度制御設定をextremeより上の”danger(危険)”に変更、MTKの項目から固定周波数で完全な1.15GHzを選択。
この状態でWild Life Extremeより重たい、デスクトップゲームレベルの高負荷(らしい)なSteel Nomad LightでGPU使用率を100%にすると…。
19Wどころか…GPU温度137.3℃、消費電力21.67Wを拝むことに成功()
スクリーンショットじゃないので察したと思いますが、約22Wを記録した段階で画面が固まり、強制的にK60 Ultraがシャットダウンしました。
約22WのノートPCみたいな消費電力、限界突破の100℃どころか135℃超えを「スマートフォンのSoC」で拝むことは、一生に一度あるか無いかも分からない途方もない消費電力体験。リアルに謎の笑いが出たのでK60 Ultraを少し好きになった気が10%程度あるような…無いような。
保護装置的な何かが作動して、強制的に端末がシャットダウンするのは、Snapdragon 810時代のものだと思ってましたが…限界を超えさせてみるもんですね…。同時に温度制御設定の”danger(危険)”は、ほぼ140℃まで許容すると思われるので本当に危険。
Dimensity 9200+(1.15GHz固定&限界突破)の前では、Snapdragon 8 Gen 1や888の消費電力・発熱など子供に等しく、約22Wで保護装置的な何かが作動し、シャットダウンしてこそ一人前の爆熱ということをわからされた気がします。楽しいですね()
???「…21.67Wが限界か?」「アキラメンナヨ!もっと熱くなれよ!」
そんな声が聞こえた気はしないけど、何処まで消費電力をドカ食いできるか気になってしまったのも事実なので、画面輝度100%状態かつGeekbench 6/Steel Nomad Light同時計測を実行。
保護装置的な物にささやかな抵抗でOnePlus 18Wクーラーを最大出力で装着しましたが、15秒で敗北し、手持ちのK60 UltraだとSoC全体で139.3℃、消費電力22.22Wが限界でした。
さらなる爆熱と消費電力の高みを目指すなら、5G通信環境下で常にCPU使用率100%、市販のクーラーかつ未分解だとSoCの安全装置的な物(多分140℃)が働いてしまうので、直にDimensity 9200+を冷やせれば23~25Wくらいは目指せるでしょう()。
あとがき
HyperTN ROMの使用感については途中で書いた通りで、日本語に対応したので(ほぼ)euROMと同じ程度に使えて、グローバル(特にPOCO)/CN版のHyperOSよりは断然好みなOSです。
Qualcomm/MediaTek問わず、Xiaomi端末向けのROMが結構作成されており、euROMの無いMediaTekかつ中国版という呪物を使いやすくするのにも良いですし、Snapdragon機にeuROMでもHyperTNでも好きに入れて問題ないレベルになっていたのは選択肢が増えて良いかと。
K60 Ultraは相変わらずで…Dimensity 9200+の検証機として買ったは良いものの、HyperTNでOSがマシになっても、性能的に何とも微妙で私自身は9200+をもう必要として無いので、8 Gen 1の後継な噛ませ犬、1.15GHzに固定して消費電力で一発芸するしか利用価値が無いです。
コメント
HyperTN ROMの内容よりも消費電力22.22Wと139.3℃という温度に衝撃を受けてしまいました
こんな数字初めてみた…
ROM焼き系の記事はいつも緩め&大体root取ってるので、たまにはこういうお遊びも良いかなーと。
日本で1.15GHzに固定して、中華圏みたいに19W前後出してる情報を見たこと無かったですし、D9200+の勇姿()をネットの海に残すのもまた一興⋯。