読者サンから「Dimensity 7025端末をやってほしい」とコメントが来たので、ローエンド向けのデータ拡充ついでにLenovo傘下になったFCNT(arrows)はどんなもんか気になり、arrows We2を買ってみたので簡単にレビューします。
arrows We2
スペック・仕様
arrows We2(FCNT FCG02) | |
OS | Android 14 |
SoC | Dimensity 7025(TSMC 6nm N6) |
メモリ | 4GB(LPDDR4X)※¹ |
ストレージ | 64/128GB(UFS 2.2)※¹ |
ディスプレイ | 6.1インチ TFT LCD (1560×720/60Hz) |
サイズ・重さ | 約155×73×8.9mm/179g |
バッテリー | 4500mAh(USB PD 3.0対応) |
カメラ | 約50MP(メイン:Samsung ISOCELL JN1 1/2.76型) 約2MP(マクロ:Smartsens SC202A 1/5.1型) 8MP(フロント:Samsung ISOCELL 4H7 1/4型) |
インターフェース | USB Type-C(USB 2.0/480Mbps) nanoSIM×1+eSIM×1 microSDカードスロット(最大1TB) |
オーディオ | モノラルスピーカー Hi-Res Audio(44100~192000Hz) コーデック:LDAC/AAC/SBC |
接続規格 | Wi-Fi 5/Bluetooth 5.2/NFC(FeliCa対応) |
防水・防塵 | IP68※² |
セキュリティ | 側面指紋認証/顔認証 |
備考・参考元 | ・※¹:ベンチマーク結果から予測(128GBはSIMフリー版のみ) ・※²:ハンドソープ・アルコール除菌対応 ・スペック参考元:fcnt.com/au.com |
開封・内容物
UQモバイルへのMNP(5501円)で購入。ドコモ版もほぼ同額で買えますが、ドコモによるお節介…もとい魔改造が嫌いなので、比較的マシなau(UQ)版にしました。
ストレージが128GBに増量されたSIMフリー版もありますが、3万円以上と無駄に高いのでやめた方が良いです。
内容物は本体と簡易マニュアルのみ。
パッケージ内容 |
・arrows We2 ・マニュアル類 |
デザイン・外観
色合いが好みだったライトブルーを選択。プラスチック素材なので高級感とは無縁ですが、Pixel 5辺りのような親しみやすいポップな質感でかなり好みです。
全体的に「こういうシンプルさで良いんだよ」を体現した感じのデザインで、ローエンドで中途半端な高級感を出されるより、軽さにも貢献するのでマットなプラ素材で良いです。
ディスプレイ側は保護フィルムとの相性も出にくいフラット形状、背面はフレーム部分まではややカーブした形状かつ丸っこい感じの端末なので、最近流行りの角張った端末より持ちやすいです。
arrows We2の重さは約178gでした。筐体サイズと素材のわりにはそんなに軽くない気がします。
OS:arrows独自機能入りのAndroid 14
arrows We2はExliderやスライドインランチャーといった、arrows向けの機能が追加されたAndroid 14を搭載。
ところどころカスタマイズされてますが…ほぼAOSP系といった感じで、何故かPixelのようにWi-Fiタイルが実装されていないという中途半端さ。
arrows向け機能は設定内の”arrowsオススメ機能”にまとめられており、流行りの無意味な仮想メモリやメモリクリーナー辺りにも対応してます。
arrows端末特有のExliderも復活。画面ズーム機能はあれば使うかもしれないものの、電源キーを指でスライドしてスクロールする機能は何とも微妙。
6.1インチで(比較的)小型なWe2なら片手操作も苦ではなく、指でスクロールした方が早いのでちょっとチグハグな感じです。
キーボードが初期状態ではSuper ATOK ULTIASになっており、悪くはないもののセットアップ段階でGboardとどちらか好きな方を選択できたら良かったのになぁ…と思います。
何か…使いやすいようで、全体的にお節介な感じが拭えないカスタマイズと思うのは私だけですかね。
比較的キャリア端末にしてはプリインストールは少なめ。ただ、arrows向けに特別必要でもないアプリが意外とごちゃごちゃ入っているような感じでした。
Google系含めて、大体70個程度のアプリは(個人的に)要らなかったので「ADB App Control」で消してます。
ディスプレイ:全体的にコストカット感が強め…
arrows We2は6.1インチ・1560×720(HD+)で60Hz駆動のTFT LCDディスプレイを搭載。必要最低限のディスプレイスペックです。
解像度は720pに毛が生えたHD+ですが、6.1インチと小さめなので粗すぎる・汚いという感じはそこまでないものの、60Hz固定のリフレッシュレートなので残像感が強く、何より画面の明るさがかなり暗めで視野角狭めです。体感だとレビューする気にならなかった”moto g24”と同レベル。
有機ELとの比較は言わずもがな、OPPO A79辺りのまともなLCDディスプレイにも太刀打ちできないと思います。コストカットのためにかなりケチられた感が強いです。
個人的に最低80%、仮に常用するなら輝度90%くらいにしないと、We2は暗すぎて見れたもんじゃないです。
WidevineセキュリティレベルはL1に対応。arrows We2で見たいかは別として、動画ストリーミングサービスで高画質な再生が可能です。
充電:非常に遅い
arrows We2はUSB PD(3.0)に対応しているらしいです。
…公式サイトにそれしか記載されていないのは不誠実だなぁと思いつつ、いつも通り最大20V5AのUSB PD(PPS)にも対応している”V12060L0A0-CN”でarrows We2を充電してみると、15W前後が出力されていました。
バッテリー残量5%状態から95%までの充電経過を、KM003C+Mtoolsで簡易的に計測してみると所要時間は約1時間54分(ほぼ2時間)でした…。
最大で瞬間的に14W(多分PD15W)しか出ておらず、大体は10~13W辺りで不安定にウロウロして80%以降だと10W以下に低下。ローエンドならここまで遅くても許されるのか?と思いたくなるレベルで酷く、実測値でPD18W前後すら出ない端末は初めてです。
POWER-Z KM003C+Mtoolsでの簡易計測(バッテリー5%→95%) | |
所要時間:1時間53分56秒 | 最大電圧:約9V |
最大電流:約1.6A | |
最大出力:約14W |
充電速度(出力)は、ハッキリ言ってお話にならないレベルで「このままでは私の寿命がストレスでマッハなんだが・・」状態ですが、arrows We2に(一応)良いところが完全に無いわけでもなく、85%で充電を停止する機能やローエンド端末では珍しいダイレクト給電に対応してます。
バッテリーモニター機能でサイクル回数や電池の状態を確認できたり、arrowsとQnovoで共同開発した(らしい)独自技術で4年後も初期容量の80%を維持し、劣化を抑えて長く使えるっぽいです。(まぁ…4年もarrows We2を使いたいかは別の話ですが)
オーディオ
arrows We2は特にこれと言ったオーディオ関連の機能は無く、モノラルスピーカーなので”とりあえず音が鳴ってる”レベルです。
いつも通り「Neutron Music Player」を使って再生可能な周波数などを確認。
Snapdragonと違いMediaTek系のSoCは再生可能な周波数が固定されておらず、44100~192000Hzまで任意変更が可能でネイティブ192KHz(24bit)のWav音源再生時もノイズや出力低下は発生せず、しっかり再生できていました。
arrows We2:Hi-Res Audio&アナログ出力テスト | ||
再生可能周波数 | Speaker:44100~192000Hz Line-out:44100~192000Hz | |
アナログ出力 | 可能(3.5mmステレオミニジャック対応) |
ダイレクト給電+microSDカード&イヤホンジャック対応端末なので、バッテリーを気にしないDAP用途に適正ありかもしれません。
Dimensity 7025の概要(スペック・仕様)
ベンチマークの前にarrows We2が採用したSoC、Dimensity 7025の概要(スペック・仕様)を簡単に解説します。
まぁ…解説も何も、結論だけ言えば(Dimensity 7025は)「Dimensity 930をリネームした7020のクロックアップ版」ただそれだけなんですが…。
SoCスペック・比較/構成解説表(あくまで仮) | |||
SoC | Dimensity 7025 | Dimensity 7020(930) | |
プロセス ノード | TSMC 6nm(N6) | ||
CPU | 8C8T(2+6構成) | ||
A78(2.5GHz)×2 A55(2GHz)×6 | A78(2.2GHz)×2 A55(2GHz)×6 | ||
L3 キャッシュ | ?MB(SLC:?MB) | ||
GPU | PowerVR B-Series BXM-8-256(?MHz) | PowerVR B-Series BXM-8-256(950MHz) | |
NPU/DSP | ? | ||
ISP | ? | ||
メモリ | LPDDR5 (2750MHz) LPDDR4X (2133MHz) | ||
ストレージ | UFS 3.1 | ||
通信モデム | ? | ||
接続規格 | Wi-Fi 5 Bluetooth 5.2 | ||
内部コード | MT6855(V) | MT6855 | |
コードネーム | ? | ||
採用端末例 | arrows We2 moto g64(y) moto g55 | vivo Y78(中国版) | vivo Y77(中国版) moto g73 |
備考・参考元 | mediatek.com/ReaMEIZUサン/namu.wik |
Dimensity 7025はわりと最近な2024年4月3日にサイレント発表されたミドルレンジ向けのSoCで、D930(2022/5/23)のクロックアップ版のD7020(2023/3/21)を更にクロックアップした「最新版の」Dimensity 930です。(素晴らしいリネームテクノロジーの産物)
CPUは高性能コアにCortex-A78(2.5GHz)を2基、高効率コアにA55(2GHz)を6基採用した8コア構成で、GPUはスマホ・タブレット向けSoCの現行製品だとある意味珍しい、Imagination Technologies社(元VideoLogic)のPowerVR B-Series BXM-8-256を採用。
GPUの動作クロックは不明ですが…恐らくD930(7020)からそのまま、もしくは微増だと思われます。メモリは最大でLPDDR5(2750MHz)、ストレージはUFS 3.1までサポート。それ以外のISPやモデム周りの具体的な型番は不明で、D7020(930)・7025採用端末自体も多くはないです。
PowerVR系GPUは歴史を辿ればドリームキャストやPS Vite、Intel Atom、モバイル向けだとArmのMali GPUが台頭するまではそれなりに普及していた他、Appleが独自GPUに移行するまでのApple A10X(PowerVR GT7800)まではAシリーズにも採用されていましたが、一時的に最大顧客のAppleに見捨てられて中国のCanyon Bridge Capital Partnersに買収され、2020年辺りに再度Appleとライセンス契約(関係改善)を結んだそうで。
現在はDimensity 7025含め、一部のDimensityやHelioとUNISOC系のSoCくらいでしか見かける機会がない、ちょっとマイナーなGPUです。
(といってもスマホ以外の分野、車載向けSoCでシェアが高いことと、某オープンワールドRPGでわざわざ”PowerVR系以外のGPU”と明記されてハブかれた以外、D7025用に調べた情報くらいしか近年のPowerVR系GPU事情についてはあまり知らないのが正直なところなので、詳しい方がいたら是非コメント下さい)
ベンチマークテスト
ミドルハイ・ハイエンド向けのベンチマーク内容とは別で、Snapdragon 8 Gen 1以下のローエンド~ミドルレンジ帯は軽量的な”lite版”のレギュレーションでテストします。(ミドルハイ以上向けVer.1.2と同様、lite版も少し調整して1.1化)
りとらいん:ベンチマークレギュレーション Ver.1.1(lite) | |
CPU性能 | Geekbench 6 CPU電力効率曲線 |
GPU性能 | 3DMark Wild Life Extreme GPU電力効率曲線 |
ストレージ メモリ性能 | CPDT Benchmark |
ゲーム性能 | 原神/スメールシティ 夜蘭C1ランニングテスト(15分間) |
崩壊:スターレイル/仙舟「羅浮」 星槎海中枢ランニングテスト(15分間) | |
この記事での比較端末と構成のデータ | |
【arrows We2】 ・OS:Android 14(V14RK56A) ・SoC:Dimensity 7025 ・メモリ:4GB(LPDDR4X) ・ストレージ:64GB(UFS 2.2) ・動作:モード指定無し | |
【POCO F3(≒Redmi K40)】 ・OS:Android 13(Pixel Experience:TQ3A.230705.001.B4) ・SoC:Snapdragon 870 ・メモリ:6GB(LPDDR5) ・ストレージ:128GB(UFS 3.1) ・動作:モード指定無し | |
【Redmi Note 13 Pro 5G】 ・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.2.0.UNRJPKD) ・SoC:Snapdragon 7s Gen 2 ・メモリ:8GB(LPDDR4X) ・ストレージ:256GB(UFS 2.2) ・動作:パフォーマンスモード(HyperOS) | |
【Libero Flip≒(nubia Flip)】 ・OS:Android 13(MyOS:1.4.1_U) ・SoC:Snapdragon 7 Gen 1 ・メモリ:6GB(LPDDR4X) ・ストレージ:128GB(UFS 2.2) ・動作:モード指定無し | |
【OPPO Reno7 A】 ・OS:Android 12(ColorOS 12:A201OP_11_C.27) ・SoC:Snapdragon 695 ・メモリ:6GB(LPDDR4X) ・ストレージ:128GB(UFS 2.2) ・動作:高パフォーマンスモード (ColorOS) | |
【Redmi 12 5G】 ・OS:Android 14(MIUI 14:14.0.5.0 TMWJPKD) ・SoC:Snapdragon 4 Gen 2 ・メモリ:4GB(LPDDR4X) ・ストレージ:128GB(UFS 2.2) ・動作:モード指定無し | |
【OPPO A79 5G】 ・OS:Android 14(ColorOS 14:A303OP_14.0.0.820 EX01) ・SoC:Dimensity 700・6020 ・メモリ:4GB(LPDDR4X) ・ストレージ:128GB(UFS 2.2) ・動作:高パフォーマンスモード (ColorOS) | |
【iPlay 50 mini Pro NFE】 ・OS:Android 13(EN_20240520) ・SoC:Helio G99 ・メモリ:8GB(LPDDR4X) ・ストレージ:256GB(UFS 2.2) ・動作:モード指定無し | |
【moto g24】 ・OS:Android 14(UTA34.82-51) ・SoC:Helio G85 ・メモリ:8GB(LPDDR4X) ・ストレージ:128GB(eMMC 5.1) ・動作:モード指定無し | |
【Google Pixel 9】 ・OS:Android 15(tokay_beta-ota-ap31.240617.015-89ba45d1) ・SoC:Tensor G4 ・メモリ:12GB(LPDDR5X) ・ストレージ:128GB(UFS 3.1) ・動作:モード指定無し | |
備考 | ・リフレッシュレート:各端末での最大値 ・ディスプレイ輝度:各端末での50%固定 ・通信環境:Wi-Fi 5(5GHz接続)&機内モード |
消費電力や温度、フレームレートなどの測定には従来に引き続き、Scene 7(TOOLBOX-SCENE)のadb/rootモードを利用。
Geekbench
Geekbench 6 | |
【Dimensity 7025】 Cortex-A78(2.5GHz)×2 Cortex-A55(2GHz)×6 | |
シングルコアスコア:945 マルチコアスコア:2224 最大消費電力:5.21W |
CPU性能を計測するGeekbench 6の結果です。arrows We2(Dimensity 7025)を含めてGeekbench 6のスコアを比較したグラフは以下の通り。
Snapdragon 4 Gen 2や695を僅かに上回るくらいのCPU性能で、実質2022年のミドル向けなDimensity 930の増強版ということを考慮すれば、2024年のローエンド~ミドルロー向けとして妥当な性能です。
いつも通り、最大スコア÷5/×4/+各SoC最小周波数の計5点でマルチスコアと消費電力を測定し、簡単な電力効率の曲線を作成して各CPUのワットパフォーマンスを確認したグラフが以下の通り。(今回も非rootなのでピークのみ)
Dimensity 7025の性能自体はSnapdragon 695や4 Gen 2を僅かに上回りますが、消費電力もちょっとだけ(1W程度)多めになります。
3DMark
3DMark Wild Life Extreme | |
【Dimensity 7025】 BXM-8-256(?MHz) | |
Overall score:- 最大消費電力:- |
Dimensity 7025(BXM-8-256)は採用数の減ったPowerVR系GPUだからなのか、3DMark Wild Life(Extreme)などに非対応でした…。
まぁ…ただでくたばるわけにはいかねぇですので、Wild Life Extremeでのスコアと電力の比較は無理ですが、参考程度にDimensity 7025(BXM-8-256)のGPU性能をSling Shot(Ex)とGFX Aztec Ruinsベンチでテストしました。(どちらも設計が古いので本来は使いたくない)
Sling Shot Extremeでスコア2550前後だと、おおよそSnapdragon 720Gやほぼリネーム前のD7020、Helio G99辺りが一応近いです。
GFX Aztec Ruins(1080P)は私が敬愛しているGeekerwanサンの「socpk.com」でのリストだと、大体Snapdragon 4 Gen 1(Adreno 619/650MHz)辺りが近く、現在は使用してないですが…参考程度に確認しているAntutuでもD7025は695(スコア8万)と720/730G(スコア7万)の間くらいのスコアなので、これらの結果等から概ね”Adreno 618(480+)~619(4 Gen 1)相当”くらいのGPU性能は有している可能性が高いと思います。
ただSling Shot Extreme・Aztec Ruinsどっちも古いGPUベンチで、BXM-8-256が上振れなのか下振れなのか微妙なところなので、今回は本当に参考程度にしかならないです。(3DMark Wild Life Extremeなどに非対応なGPUの時点で色々と察して下さい)
CPDT Benchmark
CPDT Benchmarkでストレージ・メモリ性能をテスト。テストのファイルサイズは1GB、BufferingやCacheはOFFの標準設定です。
CPDT Benchmark | |
【シーケンシャル性能】 書き込み:445.30MB/s 読み込み:878.14MB/s | |
【ランダム性能】 書き込み:36.53MB/s 読み込み:38.10MB/s | |
【メモリコピー速度】 5.84GB/s |
arrows We2のストレージ性能は、ベンチマークの”数値上だと”かなり速めで、ランダム性能はミドル以下だと今までで最速の結果です。
メモリコピー速度もOPPO A79のすぐ後ろをマークし、LPDDR4Xだとかなり速めです。
ゲーム性能
原神(Genshin Impact)
Snapdragon 855・メモリ6GBクラスに推奨スペックが引き上げられた「原神(Genshin Impact)」での性能をテスト。
現在だと原神は中量級程度の負荷なタイトルです。オープンワールドタイトル相応にCPU性能が動作に影響します。
スメールシティ/夜蘭C1ランニングテスト(15分間) | |
フレームレートや消費電力などの計測結果 | |
平均:22.7fps 最低(下位1%):12fps | 平均消費電力:4.16W 最大バッテリー温度:28℃ |
スメールシティ/夜蘭C1ランニングテスト(15分間)でのフレームレートは平均22.7fps、最低(下位1%)で12fpsでした。
Snapdragon 4 Gen 2やDimensity 6020(700)と大差ない動作感で、Snapdragon 695やメモリ容量の多いHelio G99端末に劣る結果です。
カタログスペックのわりにDimensity 7025が下位の6020から全然伸びないのは、原神の対応スペック表からわざわざ”PowerVR系以外のGPU”と明記されてハブかれたのもありそうですが、一番の原因はarrows We2のメモリが4GBでギリギリなのが足引っ張ってますね…。
消費電力もやっぱりSnapdragon 695や4 Gen 2よりちょっとだけ多めです。
崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)
Snapdragon 855/Dimensity 1000・メモリ6GBクラスが、(一応)推奨スペックな「崩壊:スターレイル(Honkai:Star Rail)」での性能をテスト。
ミドル以下向けなlite版のテスト内容では仙舟「羅浮」に出戻り、星槎海中枢をグラフィック(中)+60fps設定で一定のルートを15分間歩き回りフレームレートを計測。Snapdragon 870以下のスペックでピノコニーのテストをする意味はまぁ…無いです。
仙舟「羅浮」・星槎海中枢/ランニングテスト(15分間) | |
フレームレートや消費電力などの計測結果 | |
平均:31.7fps 最低(下位1%):22fps | 平均消費電力:4.13W 最大バッテリー温度:28℃ |
仙舟「羅浮」・星槎海中枢/ランニングテスト(15分間)でのフレームレートは平均31.7fps、最低(下位1%)で22fpsでした。
大体Sling Shot ExtremeやGFX Aztec Ruins(1080p)でのGPU性能差に近い傾向で、Dimensity 7025(BXM-8-256)はGPU性能が影響しやすいタイトルだと、微妙に安定感が劣るもののSnapdragon 695やHelio G99と同程度の平均値になりました。
スターレイルの結果も考慮するならGPU性能の部分で書いた通り、BXM-8-256は概ね”Adreno 618(480+)~619(4 Gen 1)相当”くらいと見ても良さそうな気がします。
(場合によってはRDNA3世代のグラボみたいに、ベンチスコアは微妙だけど実ゲームでハマると強いみたいな感じか…?)
あとがき
とりあえず、一番の目的だったDimensity 7025についてはPowerVR製GPUに(AdrenoやMali GPU比で)ちょっと癖がありそうな印象を受けるものの、CPUがちょっと強めなDimensity版のSnapdragon 4 Gen 1(ほぼ695寄り)って感じのSoCです。
本来Snapdragon 4 Gen 2が担うはずだったマトモな480(4 Gen 1)の後釜的な役割を任せても、(一応)問題無さそうな性能があるので、moto g64(y)のような存在がローエンド~ミドルロー帯に増えてくれるなら、4 Gen 2(4s)と違ってまだ歓迎できる方だと思います。
で…Dimensity 7025がローエンド~ミドルロー向けには良いという話をしたところで、arrows We2には微妙というか残念というか、同じLenovo傘下のMotorolaから同じD7025のmoto g64(y)がMNP1円で販売されてる現状だと、ただの下位互換なので要らない子という印象しかないです。
というかSnapdragon 695クラスのSoCを搭載して、HD+のLCDでMIL規格の頑丈さとか4/64GBとか元日本企業のブランドだとか、安心して長く使えるだの…これってarrowsブランドのLenovo製なジェネリック・AQUOS wish2なのでは。
個人的にハンドソープで洗えるとかMIL規格の頑丈さとかどうでもいいので、90HzでFHD解像度…具体的に言えばOPPO A79やRedmi 12辺りと同レベルのディスプレイは装備してもらったうえで、約2時間近く掛かる充電速度(電力供給の不安定さ)は何とかして欲しいものです。
普段使いするうえでディスプレイの暗さ・古臭さと充電遅すぎる問題を改善し、各社のローエンド(エントリー)モデルという免罪符で誤魔化され、環境配慮(エコ)以上に押し付けられるエゴの”仮想メモリ”から脱却して、いい加減ローエンドでも6/128GBが当たり前になれば…と思いつつ。
欠点が中々に致命的な気がするものの、arrows We2のデザインなどは嫌いじゃないしむしろ好みなので、このままシンプル路線で90HzかつFHD&4/64GB→6/128GB化して、PD20W辺りに対応した後継機でも出してくれれば、また試しても良いかなといったところです。
コメント
ありがとうございます、D930系だけPowerVR製GPUなのも癖が強そうですね
あとローエンドHD+にメモリ4GはやめてほしいけどG85レベルに8Gとか増やされても困りますね・・・。
4GBか8GBで両極端なのまぢでやめて欲しいですねぇ、ちょっと前のミドルみたいな6/128にできない理由があるんですかね…
格安端末の4GB縛りとSOC性能縛りは相変わらずきついですね、、、
車と一緒で「下手に安い新品よりちょっといいやつの中古」という図式を崩そうという気概のあるメーカーが欲しいですね。
SoC性能は普段使いなら必要十分くらい(大体SD845)には進化してるので良いんですが、メモリが5年前のミドル辺り(P30 liteとか)から据え置きなのがなんとも…。
中国市場なら下手な中古より最新で新品のミドル以上がお買い得なんですけどね、日本市場だと色々要求されるのでその図式を崩すのはほぼ無理だと思います。
返信ありがとうございます。
結局FeliCaやら何やらで国内向けは高くなりますよね。
最近諦めてメインスマホはGalaxyS24にしました。さようならPixel6。
サブ端末はMi11Lite5Gなんですが、こいつは使えるヤツなのでFeliCaオーケーの丁度いいミドルを探しています。
今後もレビュー参考にさせていただきます!
元Pixel 6ユーザーでSnapdragon 8 Gen 3乗り換えなとこに、匿名サンとのシンパシーを感じつつ。
オウガ・ジャパンがやる気出して、OPPO K12かA3 Proを日本に持ってきてくれたらなぁ…と思う今日此の頃です。
Tensor G5でPowerVR系GPUになるという噂もあり先行きが…
最近のMali GPUは順調どころか最新のImmortalis-G925は8 EliteのAdrenoよりも効率で勝るくらいですから勿体ない限りです
あぁ…なるほど、G5はようやくA725を増やしてA5xxを減らす&IMG DXTGPUコア採用の噂が確認したら出てますね。
でN3Eかつ、1+5+2構成なら8Gen2~8Gen3の間がなんとか狙えそうかな…くらいの希望的観測ができるカタログスペックですね、Zuma Proよりは大分期待できる…。
MaliからPowerVRに鞍替えするメリットがコストくらいしか思いつかないですけど、G925を見たあとだとマジで勿体ないですわよ…
まーた邦ゲーがAdreno GPUしか最適化されない時代に戻るのかなぁと悲観です
TensorとDimensityが同アーキテクチャのMali使うのが続けば最適化も多少は恩恵ありそうかなと思ってただけに
国産タイトルほどアレですからね…。(苦手を確認するのには悪くない)
なるべくAdrenoとMaliどっちも推奨スペックに入ってるゲームタイトルをテストに選定するとか、中華圏を参考にするとかで比較しても問題ないテスト環境作りも、性能をレビューする側には求められますね。
待望のDimensity 7025機種をありがとうございます
家のmoto g64yもメモリ不足からなモンハンNOWで急に超カクカク挙動になっていたので、やっばりゲームだと酷い結果になるよねと再確認できました
それにしてもarrows We2はg64に比べて解像度低いしリフレッシュレートも低いのはキツイですね…
90HzなRedmi Note 10JE使ってるうちの親でも辛いかもしれない…
読者要望+MNPで安い&自分も気にはなる、だったのでローエンド〜ミドルはなるべく読者サンも気になった奴を安く買う方向にシフトですねぇ。
ディスプレイ以外はRedmi 12とか10JEより好きな部分もあったんですが、流石に要らないのでarrows We2とはサヨナラです。