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OnePlus Ace 3Vレビュー:Snapdragon 7+ Gen 3を初搭載した、新世代ミドルレンジの実力を検証

ららりらです。OnePlus Ace 3Vを購入したのでレビュー&Snapdragon 7+ Gen 3の性能を検証します。

スペック

OnePlus Ace 3V
OSColorOS 14 (Android 14ベース)
SoCSnapdragon 7+ Gen 3(TSMC 4nm N4P)
メモリ12/16GB(LPDDR5X)
ストレージ256/512GB(UFS 4.0)
ディスプレイ6.74インチ AMOLED Tianma U8+材料
(2772×1240/120Hz)
サイズ162.7×75.2×8.47mm
重さ200g
バッテリー5500mAh(デュアルセル/100W充電)
カメラ50MP(メイン:Sony IMX 882 1/1.95型/OIS)
8MP(超広角:Sony IMX 355 1/4型)
16MP(フロント:Samsung ISOCELL 3P9 1/3.1型)
インターフェースUSB Type-C
nanoSIM×2
オーディオステレオスピーカー
接続規格Wi-Fi 6E(802.11a/b/g/n/ac/ax)
Bluetooth 5.4
NFC
防水・防塵IP65
セキュリティ画面内指紋認証/顔認証
備考・SBC/AAC/aptX HD/LDAC/aptX/LHDCをサポート
・*LHDCはOPPO Enco X シリーズなどで使用する必要があり
・スペック参考元/OnePlus.com)

デザイン

今回はOnePlus Ace 3Vの钛空灰(紫)色を購入しました。背面はサラサラとした感触で指紋がつきにくく、コスパ重視の端末かつミドルレンジモデルながら、比較的上質な印象です。

右側には音量ボタンと電源ボタンがあり、左側にはアラートスライダーがあります。マナーモードを簡単に切れ替えられて便利。

シンプルさ・カメラ配置やライト部分などに、何処かMeizu 20 Proっぽさを感じます。(光の当たり具合も影響してますが)

ソフトウェア・ハードウェア

ColorOS 14.0

OnePlus Ace 3VはAndroid14ベースのColorOS 14を搭載しています。

アプリごとにリフレッシュレート設定ができたり、アニメーションがトップレベルで滑らかで、全体的に使いやすいOSです。

音声認識と翻訳をリアルタイムに行える機能があり、スマートサイドバーから起動できます。正確性も必要十分で、中国語の動画を見るときに非常に役に立ちます。

また先日配信されたバージョン14.0.1.523で、コントロールセンターに音量調節ボタンが追加されるなど改善があった他、アプリごとの音量設定が実装されて、更に利便性が向上しました。

ららりら
ららりら

ゲーム中に音楽の音量調節がしやすくなってめっちゃ便利です!

アプデでアニメーションも更に滑らかになりました!

Holo audioという複数のオーディオソースを同時に再生しているときに、音の聞こえてくる方向と距離を変更・設定可能な面白い機能もあります。Dolby Atmosに対応していない代わりに、似たようなOreality audioに対応していました。

モバイル通信・通話:VoLTE対応

OnePlus Ace 3Vの対応バンドは以下の通りです。

5GNR:n1/n5/n8/n28A/n41/n77/n78
4GFDD-LTE:B1/3/4/5/8/28A
TDD-LTE:B34/38/39/40/41
3GWCDMA:B1/4/5/8
2GGSM:850/900/1800MHz
ららりら
ららりら

※ドコモで使われているB19、auで使われているB18/26は非対応です。

UQモバイルのSIMカードを入れて、問題無くVoLTE&通話が利用できていました。

充電:100W SUPERVOOC対応

OnePlus Ace 3Vは100W SUPERVOOCに対応しており、ACアダプターとケーブルも同梱されています。

付属のACアダプターとケーブルはどちらも100W SUPERVOOCに対応したものですが、100Wを供給できるのは200〜240Vのコンセントからに限定されるため、日本の100Vコンセントでは最大80W程度しか出せません…。

80WのSUPERVOOCでも必要十分ですが…どうしても日本で100W充電をしたい場合は、OPPOやOnePlusが中国で取り扱っている“一加 SUPERVOOC 100W 双口超级闪充充电器”を、AliExpressや京東等から取り寄せる必要があります。

ららりら
ららりら

SUPERVOOC 100W デュアルポート充電器は、hiroサンの方で記事にされてます。

SUPERVOOC 80Wで5%から100%まで充電した結果、約31分で充電できました。

中華スマホの充電速度としては120~150Wクラスがゴロゴロいるので、80~100Wは”普通”という印象ですが、日常的に利用するうえでは十二分な速度で充電できています。

Scene 7で充電時間の簡易計測(5%→100%)
SUPERVOOC 80W
(所要時間:31分05秒)
最大出力:59.87W

バッテリー温度25℃で充電を開始した場合の最高温度は35℃でした。50W以上流れてますが、そこまで熱くなりません。

Snapdragon 7+ Gen 3について

私(ららりら)の方でも、SoC解説をやりたかったのでhiroサンから記事パーツとか借りて、やらせてもらうことにしました。

SoCの比較表にはSnapdragon 8 Gen 2と、◯Gen3系で最上位モデルの8 Gen 3を入れました。

SoCスペック・比較/構成解説表
SoCSnapdragon 8 Gen 3Snapdragon 8 Gen 2Snapdragon 7+ Gen 3
プロセス
ノード
TSMC 4nm(N4P)TSMC 4nm(N4)TSMC 4nm(N4P)
CPU8C8T(1+5+2構成)8C8T(1+4+3構成)8C8T(1+4+3構成)
X4×1:3.3GHz
A720×3:3.15GHz
A720×2:2.96GHz
A520×2:2.27GHz
X3×1:3.2GHz
A715×2:2.8GHz
A710×2:2.8GHz
A510×3:2GHz
X4×1:2.8GHz
A720×4:2.6GHz
A520×3:1.9GHz
L3
キャッシュ
12MB(SLC:?)8MB(SLC:6MB)4MB(SLC:3.5MB)
GPUAdreno 750:903MHz
ALUs:1792
Adreno 740:680MHz
ALUs:1536
Adreno 732 :950MHz
ALUs:768
NPU
(DSP)
HexagonHexagonHexagon
ISPSpectra Cognitive
(Triple 18bit)
Spectra Cognitive
(Triple 18bit)
Spectra Cognitive
(Triple 18bit)
メモリLPDDR5X
(4800MHz)
LPDDR5X
(4200MHz)
LPDDR5X
(4200MHz)
ストレージUFS 4.0UFS 4.0UFS 4.0
通信モデムSnapdragon X75 5GSnapdragon X70 5GSnapdragon X63 5G
接続規格Wi-Fi 7
Bluetooth 5.4
Wi-Fi 7
Bluetooth 5.3
Wi-Fi 7
Bluetooth 5.4
内部コードSM8650-ABSM8550-AB SM7675
(参考元:Geekerwan=サン/S・WHITE=サン)

Snapdragon 7+ Gen 3は7シリーズにおいて”+”が付与された2つ目のSoCで、先代7+ Gen 2同様にミドル~ミドルハイ向けにリリースされたSoC。TSMCが製造を担当し、現行最上位のSnapdragon 8 Gen 3と同じTSMC 4nm N4Pを使用しています。

CPUにはSnapdragon 8 Gen 3と同じ、Arm v9.2(64bit)のCortex-X4/A720/A520が採用されています。CPU IP自体は8 Gen 3と同じですが、コア構成・構造はSnapdragon 8 Gen 2と同じ1+4+3の8コアです。

中華圏の評価「7+ Gen 3は小型・小規模なSnapdragon 8 Gen 3」とされている通り、採用したCPUの動作クロックは控えめに抑えられており、加えてL3キャッシュも8 Gen 3の12MBから1/3の4MBに減少しています。

GPUにはAdreno 732(950MHz/ALUs768)を採用していて、QualcommのGPU命名規則通り、Snapdragon 8+ Gen 1や8 Gen 1が採用したAdreno 730よりは上、8 Gen 2(Adreno 740)よりは下に位置付けられる存在です。

ALUs(算術論理ユニット数)は768基で、Snapdragon 8 Gen 2のAdreno 740(ALUs1536)と比較すると半減しており、高負荷時の電力効率や最大性能の低下が予想されます。(ちなみに8+ Gen 1比でも256基少ない)

ISPはTriple 18bitのSpectra Cognitiveを搭載しています。Snapdragon 8 Gen 3と比較して、8K 30FPS/4K 120FPS辺りの撮影に対応していない点以外、静止画の画素数などに関しては7シリーズだからといって大きく劣らない性能です。

ららりら
ららりら

共通アーキテクチャで、ほぼ同じ存在のSnapdragon 8s Gen 3(Adreno 735)とは異なり、7+ Gen 3のAdreno 732はレイトレーシングに何故か非対応です。

殆ど近い存在なのに8sが8シリーズに属せて、7+ Gen 3が7シリーズに落とされた点は、モデムやクロック以外にもレイトレの有無もありそうな気が?

ベンチマーク

ららりら
ららりら

hiroサンと雑談しながらベンチマーク関連について色々話し合い、一部を共通化・データの共有を行い、中華圏のスマホレビューのような、データベースもどき化することにしました。

hiro・ららりらで、共通化・計測データの共有等も組み込んだ「りとらいん:ベンチマークレギュレーション」は以下の通り。

りとらいん:ベンチマークレギュレーション Ver.1.0
ベンチマークテスト内容と担当者
CPU性能・Geekbench 6(リネーム版)
・電力効率曲線
hiro・ららりらで共通
GPU性能・3DMark Wild Life Extreme(リネーム版)
・電力効率曲線
ストレージ
メモリ性能
CPDT Benchmark
AI性能AI Benchmark(リネーム版)
簡易AIテストRealSR-NCNN-Androidhiroが担当
ゲーム性能勝利の女神:NIKKE
迎撃戦:特殊個体:モダニア
原神/スメールシティ
夜蘭C1ランニングテスト/30分間
hiro・ららりらで共通
崩壊:スターレイル/ピノコニー(黄金の刻)
黄泉 四相断我無双移動テスト/30分間
World of Tanks Blitz
その他、ゲームでの動作分析
ららりらが担当

消費電力や温度、動作周波数などの詳細な測定には、Scene 7(TOOLBOX-SCENE)のadb/rootモードを利用。

加えてベンチマーク時だけ制御・性能を発揮しやすくし、スコアを良く見せてゲーム等では性能を意図的に落とす所謂”ベンチマークブースト”対策に、ApkRenamerでアプリパッケージ名をリネームしたものを共通で採用しています。

今回OnePlus Ace 3V以外のデータは、以下の端末達を借りました。

Ace Vとして先代に当たるAce 2V(Nord 3 5G)、12 Turboのデータで7+ Gen 3と7+ Gen 2の比較ができるので楽しみです。

テスト/比較端末・環境構成
【OnePlus 12】
・OS:Android 14(OxygenOS 14.0:CPH2581_14.0.0.404 EX01)
・SoC:Snapdragon 8 Gen 3
・メモリ:12GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 4.0)
・動作:高パフォーマンスモード(OxygenOS)
【Redmi K60 Pro】
・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.5.0UMKCNXM)
・SoC:Snapdragon 8 Gen 2
・メモリ:8GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 4.0)
・動作:パフォーマンスモード(HyperOS)
【Legion Y700 2023(≒NEC LAVIE Tab T9)】
・OS:Android 13(ZUI 15:15.0.737)
・SoC:Snapdragon 8+ Gen 1
・メモリ:12GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 3.1)
・動作:パフォーマンス(ゲームアシスタント)
【OnePlus Ace 3V】
・OS:Android 14(ColorOS 14:14.0.1.523)
・SoC:Snapdragon 7+ Gen 3
・メモリ:12GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 4.0)
・動作:高パフォーマンスモード (ColorOS)
【Redmi Note 12 Turbo(≒POCO F5)】
・OS:Android 14(Xiaomi HyperOS:1.0.2.0.UMRMIXM)
・SoC:Snapdragon 7+ Gen 2
・メモリ:8GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 3.1)
・動作:パフォーマンスモード(HyperOS)
【OnePlus Nord 3 5G(≒OnePlus Ace 2V)】
・OS:Android 14(OxygenOS 14.0:CPH2493_14.0.0.300 EX01)
・SoC:Dimensity 9000
・メモリ:16GB(LPDDR5X)
・ストレージ:256GB(UFS 3.1)
・動作:高パフォーマンスモード(OxygenOS)
備考・ディスプレイ駆動:120Hz
・ディスプレイ輝度:各端末での50%固定
・通信環境:Wi-Fi 5(5GHz接続)&機内モード

GeekBench 6

CPU性能を測定するGeekBench 6の結果です。

リネーム版と通常版に大きなスコア差がないため、ベンチマークブーストは行っていないようです。

Geekbench 6
通常版(6.2.2)パッケージリネーム版(6.2.0)
計測結果
OnePlus Ace 3V
(Snapdragon 7+ Gen 3)
シングルコアスコア:1813
マルチコアスコア:4667
最大消費電力:10.2W

各SoCのシングル・マルチコア性能を比べたグラフは以下の通りです。

マルチコア性能はSnapdragon 7+ Gen 2比で約7%向上し、OnePlus Nord 3(≒Ace 2V)が採用したDimensity 9000比では約4%性能が向上しています。

一方で、Snapdragon 8+ Gen 1比だと7+ Gen 3は約4%低く、8 Gen 2比では約12%性能が低い結果になりました。

シングル性能はCortex-X4の周波数が2.8GHzと低いためか、Snapdragon 8+ Gen 1(X2:3.2GHz)と近い性能です。

「4667点?何か7+ Gen 3にしては、低いな…」と思った人がいると思います。

実際、中華圏のGeekrwan氏やS・White氏の評価では5000を超えるスコアを記録しており、通常版でもスコアが出ないことが疑問だったので、スマホ向けのクーラーを使用したり、最高周波数に固定化やスロットリングを無効化など…できることは試しましたが5000を超えるスコアは“一度”も出せませんでした。

ららりら
ららりら

ベンチマークはベンチマークなので…と言い訳をしておきます。諦めました。

スコアの話は置いておいて…スマホは基本パッシブ冷却で、バッテリー容量にも制限があるので電力効率も大事です。

hiroサンと共通化した、最大スコア÷5/×4/+各SoC最小周波数の5点でマルチスコア・消費電力を測定し、簡単な電力効率の曲線を作成して各SoCのワットパフォーマンスを確認します。グラフは以下の通りです。

(電力効率曲線の場合、カーブと測定点が左上に近いほど良く、右下に近いほど悪いです)

Snapdragon 7+ Gen 3は8 Gen 2比で効率・性能ともに及ばず、ましてや7+ Gen 2にも効率では負けてしまいます。と…この結果からは言えますが…。

先述の通り、通常版含めて10W前後でスコア5000点が出せないことを踏まえると、このGeekBench 6のスコアは7+ Gen 3の実力を示す、正確なスコアでない可能性があります。(hiroサンのK60 Ultraの時と同じ…というかほぼそう)

”仮に”10W前後で5000点を超えるスコアが出るなら、電力効率はSnapdragon 8 Gen 2と8+ Gen 1の間くらいになります。

ららりら
ららりら

自分ができることは全部やったつもりです。アプデの影響とかもあるので参考程度に…。

3DMark

GPU性能を測定する3DMark Wild Life Extremeの結果です。スコアは3060でした。

3DMark Wild Life Extreme(パッケージリネーム版)
計測結果
OnePlus Ace 3V
(Snapdragon 7+ Gen 3)
Overall score:3060
最大消費電力:8.9W

他の機種と比べたグラフは以下の通りです。(GeekBench 6と違って、比較的マトモなスコアが出る模様)

Snapdragon 7+ Gen 3(Adreno 732)は、7+ Gen 2(Adreno 725)比で約50%性能が向上しており、Dimensity 9000比では約25%向上しています。一方でカタログスペック通り、8 Gen 2比は約20%性能が低い結果でした。

GPUの電力効率は以下の通りで、ざっくりSnapdragon 8 Gen 2(Adreno 740)と8+ Gen 1(Adreno 730)の中間くらいです。

Snapdragon 7+ Gen 3の電力効率は8 Gen 2と5W付近までは同レベルですが、5W以上では差が開き、ピーク時はかなり劣ってしまいます。一方で8+ Gen 1比だと性能・効率どちらもやや上回ります。

恐らく、ALUs 1024基のSnapdragon 8+ Gen 1(Adreno 730)から7+ Gen 3(Adreno 732)で768基に減少した点、プロセスノードがN4→N4Pに改良したことが起因していると思います。

ららりら
ららりら

Adreno 732はAdreno 730を単純にオーバークロックしただけのGPUでは無さそう(?)

CPDT(ストレージ・メモリ性能テスト)

CPDT Benchmarkでストレージ・メモリ性能をテスト。ファイルサイズは1GB、BufferingやCacheはOFFの標準設定です。

CPDT Benchmark
計測結果
OnePlus Ace 3V
(Snapdragon 7+ Gen 3)
Sequential write:827.84MB/s
Sequential read:1.1GB/s
Random write:50.86MB/s
Random read:25.83MB/s
Memory copy:15.99B/s

シーケンシャルリード・ライトともにUFS 3.1並みの性能で、他のUFS 4.0採用した機種には及びませんでした。

ランダムリードは50MB/sとトップの速度です。ランダムライトはUFS 4.0採用機種の中だと遅いですが、Y700 2023を除くUFS 3.1採用機種よりはそれなりに速いです。

メモリコピー速度もLPDDR5Xの機種の中では可もなく不可もないです。LPDDR5″X”を活かせない、Snapdragon 8+ Gen 1と大差ないのは少し残念です…。

AI Benchmark

AI Benchmark V5でAI性能をテストします。

AI Benchmark V5(パッケージリネーム版)
計測結果
OnePlus Ace 3V
(Snapdragon 7+ Gen 3)
Device AI Score:156
(Medium Performance)

AI Benchmark V5にSnapdragon 7+ Gen 3が全く最適化されていないため、結果は156で最下位です…。

ゲーム性能

原神

共通化・データの共有に際して原神のテストには、スメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続ける”スメールシティ/夜蘭C1ランニング”を採用。夜蘭(C1)で約4分間のルートを最高画質+60fps設定で30分間走行して計測します。

中華圏でもスマホ・タブレットの性能試験として用いられている、重いスメールシティを夜蘭の元素スキルでランニングし続けるテストです。

Geekerwanサンのコースを参考にしつつ検証用に周回ルートを組み換えて、1周あたり夜蘭が1凸の場合約4分のコースを作成。このコースをひたすら各端末で30分間ランニングして動作検証しています。(実際のルートは以下の通り)

エネミーの行動パターンや戦闘のローテーションといった、ランダム性を排除した純粋なマシンパワーの測定です。スメールシティそのものに大量のNPCが配置され、地形も複雑なためCPUボトルネックの差も大きくなります。

原神:スメールシティ/夜蘭C1ランニングテスト/30分間
計測結果
OnePlus Ace 3V
(Snapdragon 7+ Gen 3)
平均フレームレート:54.4fps
最低フレームレート(1%):46fps
平均消費電力:6.27W
最大バッテリー温度:43.3℃

スメールシティ(夜蘭C1ランニングテスト)でのフレームレートは平均54.4FPS、最低(1%)で46FPSでした。

Scene 7の計測データを簡単に分析すると、バッテリー温度42℃付近で55FPS、43℃では50FPS程度に制限しているような動作が見受けられます。

原神の平均フレームレートはSnapdragon 8+ Gen 1と大差ないですが、最低フレームレート(1%)は僅かに伸びており、Cortex-X4などの採用による底上げや一加の調整が起因していると思います。ただし8 Gen 2にはやや及ばないです。

平均消費電力はSnapdragon 8 Gen 2並みの6.27Wに抑えられており、CPU性能が重要になる原神での結果を考慮すると、上述したCPU部分が「8 Gen 2と8+ Gen 1の間」になるだろうというのも、無理なく理解できるかと。

崩壊スターレイル

スターレイルのテストはトップクラスのGPU負荷を誇る、ピノコニー(黄金の刻)をグラフィック(最高)+60fps設定にて、一定のルートをより負荷の掛かる黄泉の秘技「四相断我」を連打して移動し、30分間計測します。

元々はピノコニー(黄金の刻)の一定ルートでの計測を共通化する予定でしたが、お互い(hiro・ららりら)黄泉の秘技中の負荷に気づいたことと、雑魚敵を無双できて殆どのコンテンツで黄泉の秘技が多用されているので、実用性アリと判断してこの形になりました。

hiro・ららりらで作成した、りとらいんオリジナルのスターレイル検証テストです。

ただでさえSnapdragon 8+ Gen 1以上のGPU性能が必須となるピノコニー(黄金の刻)でのテストに、フレームドロップが発生しやすい黄泉の秘技を重ねることで、下手なベンチマークテストを超えた負荷を”実ゲームで”掛けることを目的としています。

今までのピノコニーを30分間走るテストから大体5~7fps程度平均値が低下するため、目安の値も5fps下げています。

崩壊:スターレイル:ピノコニー(黄金の刻)/黄泉 四相断我無双移動テスト/30分間
計測結果
OnePlus Ace 3V
(Snapdragon 7+ Gen 3)
平均フレームレート:34fps
最低フレームレート(1%):23fps
平均消費電力:6.3W
最大バッテリー温度:43.4℃

ピノコニー(黄泉 四相断我無双移動テスト)でのフレームレートは平均34FPS、最低(1%)で23FPSでした。

元々、GPUを酷使するうえ非常に重たい”ピノコニー(黄金の刻)”に、エフェクトが重くフレームドロップしやすい黄泉の秘技を重ねたこのテストでは、GPU性能がそこそこなSnapdragon 7+ Gen 3だと歯が立ちません…。

Scene 7で測定した結果から簡単に分析すると、37℃付近でスロットリングが発動してCPU・GPU周波数ともに大きく下がり、連動してFPSも低くなります。バッテリー温度が低い状態でも、Snapdragon 7+ Gen 3のGPUは最高で684MHzまでしか上がらない調整のようです。

ピノコニー(黄泉 四相断我無双移動テスト)だと、Snapdragon 7+ Gen 3/7+ Gen 2/Dimensity 9000は団栗の背比べ状態です。

Y700 2023のように放熱面積を稼げて、Snapdragon 8+ Gen 1の全力(765~900MHz)を維持できる or Snapdragon 8 Gen 3のような圧倒的なGPU性能のどちらかでしか、このテストで平均40FPSは超えられないっぽいです。(下手なベンチアプリより重い)

OnePlus Ace 3Vは“しっかり”とスロットリングを掛けるので、平均消費電力やバッテリー温度はあまり高くならずに抑えられています。

ららりら
ららりら

hiroサン曰く、K60 Proはスロットリングが緩いことが祟って、黄泉でのテストだと8 Gen 2の割にダメダメらしい。

World of Tanks Blitz

私(ららりら)の方では、原神や崩壊:スターレイル以外のタイトルとしてWord of Tanksでもテストします。

World of Tanks Blitz
計測結果
OnePlus Ace 3V
(Snapdragon 7+ Gen 3)
平均フレームレート:45.9fps
最低フレームレート(1%):35fps
平均消費電力:7.54W
最大バッテリー温度:41.2℃

平均フレームレートは45.9FPSで、最低(1%)は35FPSと…お世辞にも快適とは言い難い結果です。

World of Tanks Blitzは120FPS対応のタイトルですが、Snapdragon 8 Gen 3でも60FPS程度しか出ないゲームで…草の表現が重いため負荷が掛かり、草が画面の中にどれだけ存在するかによってフレームレートが大きく変わってしまいます。

毎回視点の動きを完璧に合わせられないので、(データはあるけど)端末間の比較は行いません。Word of Tanksでのテストは原神や崩壊:スターレイルと異なり、比較ではなくSoCごとに出せる大まかなフレームレートの把握用です。

Scene 7の結果から簡単に分析すると、Adreno 732の最高周波数950MHzで使用率が100%であるにも関わらず、平均フレームレートは約46FPSで、Snapdragon 7+ Gen 3にとってはWorld of Tanks Blitzは“重すぎる”っぽいです。

その他・ゲームモードの独自機能

OnePlus Ace 3Vは映像処理用の外部チップを搭載していませんが、Hyper HDRとネイティブ解像度を上げる”UHDグラフィック”機能を使用することができます。が…バッテリー温度37℃付近で無効化されてしまうため、実用性はあまり無いです。

UHDグラフィックは原神以外だと確認できませんでしたが、Hyper HDRはCall of Duty Mobileで動作を確認できました。

カメラ

カメラは超広角8MP(IMX 355)と広角50MP(LYT-600=IMX882)の二眼構成です。

望遠カメラ非搭載なので高倍率だと画像の粗が目立ちますが、望遠性能以外では4万円台のスマホとして見れば文句はありません。

root化後に”LuckyTooLs”のマスターフィルターを有効にすると、Xで流行っている静けさフィルターなどが使えるようになります。

ハッセルブラッドの透かしも入れられますが…監修されてないミドルレンジに透かしを付けるのは、流石にちょっとダサいが過ぎるので1枚目にしかつけていません。

夜景やズームでのカメラ性能はそんなに良いとは言えませんが…記録用としては十分です。

まとめ・所感

良い悪い
・BLUが簡単にできる
・順当に進化して高性能なSnapdragon 7+ Gen 3
・比較的安価
・5500mhAのバッテリー&100W充電対応
・使いやすいColorOS 14
・対応バンドが弱め
・SoCの性能を目的に買う程ではない

Snapdragon 7+ Gen 3自体は「8+ Gen 1以上・8 Gen 2未満」という性能で正直…肩透かしを食らった感が拭えませんが、”7+ Gen 2から順当に進化はした”とも評価できますし、GPUを酷使するゲーム以外(スタレやWoT)はそんなに問題ないので、価格を踏まえれば文句ないです。(ゲームをしないライトユーザーには過剰レベルな性能)

OnePlus端末なのでColorOSであってもBLUが簡単にできたり、アプリ別のリフレッシュレート設定や翻訳文字起こしに対応していたりと、個人的に欲しいポイントは抑えられていてミドルレンジ機としてそれなりに良かったです。

シンプルなデザインと足回り含めて装備はそれなりなので、Ace 3V自体は全体的に高水準なミドルレンジ機ですが、Snapdragon 7+ Gen 3のSoC・ゲーム性能を「Antutuで8 Gen 2並み」という評価を”鵜呑みにして買うのは”あまりおすすめしません。

コメント

  1. 匿名 より:

    root化にも言及されてますがこの機種用のroot化方法の解説記事も書いて頂けるとすごく助かりますよろしくお願いします

  2. あみ より:

    各ゲームの検証からまとめまで素晴らしい記事です〜!
    購入迷っていたので助かりました。ありがとうございます。

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