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POCO F3(Redmi K40)に、Pixel Experience(無印)&”Thermal Qualcomm 870”を導入する

去年、Mi 11i(Redmi K40 Pro+)にPixel Experienceを導入しようとして盛大にROM焼きに失敗し、今なら失敗せず焼けそう&負けたままだと悔しいので、POCO F3にPixel Experience(無印)を導入してリベンジします。

準備・使ったもの

ストックROM(MIUI 14)の状態から焼いてます。必要なファイルや手順は前と然程変わっていない様子。

インストール

aliothを(adb reboot bootloader等で)Fastbootモードにて起動し、adb環境(PC)とUSBデバッグ接続。

ダウンロードした”vendor_boot.img”→Recoveryの順で焼き(vendor_boot後にRecoveryを焼かないと上手くRecoveryが起動しない)、Recoveryを”fastboot reboot recovery”で起動。

(Pixel Experienceの)Recoveryが起動するので、”Factory reset”→”Format data”を実行。

データフォーマット後、”Apply update”から”ADB sideload”を選択して実行し、PC側から”adb sideload +(ROM)”でPixel ExperienceのROMをインストール。

”Reboot system new”でシステム(OS)へ再起動すれば、Pixelシリーズでお馴染みの”Welcome to your Pixel”表示でPixel Experienceが起動します。

余談として、Mi 11i(Redmi K40 Pro+)にPixel Experienceを導入しようとして、adb sideloadまで成功したのにcannot read(ファイルを読み込めない)と表示され、失敗した要因の1つに当時メインで使っていたRyzen 7 3700X(Zen 2)が挙げられます。

色々あって、Ryzen 7 5700X(Zen 3)にCPU換装以降は”adb sideload”でROMの導入に失敗せず、intel環境(Core i5 13600KF)ではadb関係含めド安定なので、Zen 3以前だとCPUの構造やら拡張命令とか対応の関係で上手く行かなかったのかもしれません。

使ってみる

”Pixel体験”の通り、殆どPixelシリーズと遜色ないAOSPベースのROM。前にGSIでPlus版を試した際と殆ど同じ。

無印版では、Pixelシリーズ向けAndroid 13(AOSP)の悪い部分も継承しており、Plus版やPixel Experienceの派生ROMと違い、Wi-Fiとインタネットタイルが分離されていません。ディスプレイ周りは至って普通、内部的に利用可能な90Hzは使えず60/120Hzのみ。

生体認証はAOSPながらカスタムROMでお馴染みのビルドにより、顔・指紋に対応。ジェスチャーバーは無印版だとそのままでは消すことが出来ず、Magiskモジュール等で手を加える必要あり。

初期のカメラアプリはアイコンから分かる通り、LineageOSのものが入ってます。AOSPそのまんまよりはマシなものの…MIUIカメラを移植したROMやGCamには及びません。

GCam(MGC 8系)をPOCO F3(Redmi K40)に入れると、望遠・マクロを兼ねるテレマクロカメラの望遠機能がタヒぬ替わりに、デフォで1.9倍~10倍ズームが可能なマクロカメラに変貌します。(テレマクロ搭載機共通の仕様)

5MPのマクロカメラ+10倍ズーム+カメラソフトウェアに定評のある、Pixelのカメラを移植したGCamの合わせ技でディスプレイのピクセル配列が見れる程度の疑似顕微鏡替わりにもなります。(あくまで疑似)

ベンチマーク

Pixel Experience&POCO F3(定格)

カーネルやMagiskモジュール等による性能の改変無しでのベンチマーク結果は以下の通り。

Geekbench 6(MOD)ではMIUI 14から余計な処理が減り、軽いAOSPベースなのでCPU性能が微増。逆に3DMark(Wild Life Extreme)だと1245から1136へ低下。GPU周りの使い方がAOSPは下手かもしれません。ストレージ速度もMIUI比で低下しており、UFS 3.1としては遅め。

原神はグラフィック(最高)/720p@60fps設定にて、”千尋の砂漠~蒼漠の囿土”の間で約25分間プレイして平均45.9fps、最低(1%)で10.9fpsでMIUI 14から悪化。メガニケは相変わらず、ロードを含めたユニオン射撃場×3(約5分間)で平均45fps前後。

メガニケに関してはRedmi Note 12 Turbo(7+ Gen 2)で、MIUI 14からEvolution Xに乗り換えて性能向上があったので、OSによる要因もある可能性から少し期待しましたが…やっぱり870が原因みたいです。

原神に関しては10分程度は50~55fps前後で動作するものの、10分を超えた辺りでMIUIと同じようにバッテリー温度が45℃を超えてサーマルスロットリングに引っかかり、酷い場合は15fps前後までフレームレートが低下。

45℃前後でスロットリング→性能と温度低下でパフォーマンスが戻る→45℃で制限→以下ryを繰り返すので、フレームレート・消費電力が乱高下してこのような”どっかんばったん大騒ぎ”なチャート推移(データログ)に…。

サーマルスロットリング前の10分間(600秒)と、サーマルスロットリング含めた約25分間(1500秒)のデータをグラフで比較。

Thermals Qualcomm 870+POCO F3

知っている人は知っている、Snapdragon 870専用の性能強化モジュール”Thermal Qualcomm 870 [Gaming]”

3.2(3.19)GHzまで動的にターボクロックを制御、Level 3 GPUブーストによる587~670MHzへの到達頻度上昇に加えて、全てのROMサポートとサーマルスロットリング温度の引き上げにより、870のポテンシャルを殆どの搭載機で引き出せる”らしい”存在。これをPOCO F3に追加して性能差を定格と比較してみます。Geekbench 6と3DMark(MOD)の結果は微増ながらスコアが確かに向上。

メガニケは定格やMIUIでの平均46fpsから誤差の平均45.6fpsで、モダニア=サンのバースト中は40fps前後しか出ずCPU・GPU使用率もやっぱり低いままのため、888と870で何かしら明確な線引がされている or 若しくはニケの運営が870での動作の最適化を全くしていない可能性。何れにせよニケをプレイするなら870は役立たずです。

一方で原神は”千尋の砂漠~蒼漠の囿土”の間を約30分間プレイして平均51.4fps、最低(1%)で32.7fpsと大幅に改善。というよりスロットリングによる、性能とフレームレートの低下がほぼ無くなったという方が正しいかも。

バッテリー温度が50℃を超えてもスロットリングによるクロックダウンが無く、恐らくThermals Qualcomm 870を追加した場合、55~60℃辺りまで許容され”実質”スロットリングを無効化した状態に等しいです。

過去のSnapdragon 870・888でのデータと比較すると、サーマルスロットリングを無効化した888と殆ど同じ結果に。特にCPU性能がスロットリングで大幅に低下することが無いため、最低フレームレートの改善が顕著。

”Thermal Qualcomm 870 [Gaming]”を追加したPOCO F3は、ほぼ870のポテンシャルを引き出して原神では、スロットリングを無効化した888に迫るフレームレートを出せました。

代わりにバッテリー温度は50℃を軽く超えるので外部冷却は必須。ついでにスロットリングを緩めて性能低下を防いでも870・888は原神(スメール)だと平均50fps前後なので、この辺りが性能限界とも言えそうです。

Thermal Qualcomm 870を追加しても消費電力は微増程度で、ワットパフォーマンスが大幅に悪化したりはしないのもポイント。

OCや動作クロックの固定化ではなく、あくまで定格範囲内で出せる性能を引き出しただけなので7W前後の消費電力に留まります。これでもSnapdragon 888や8 Gen 1より消費電力は低く、フレームレートも大差無いので…。

あとがき

リベンジと今後の予定で、殆どカスタマイズの入っていないAOSP…というかPixelに近い存在が必要なので無印版を焼きましたが、個人的は最低限Plus版、出来ればPixel Experienceから派生したPe系のAOSP ROMを導入した方が使えると思います。

Thermal Qualcomm 870 [Gaming]はかなり強力な870強化モジュールですが、POCO F3(Redmi K40)のような最低限の冷却設計だと100%のポテンシャルを引き出せる訳では無さそう。

最低でもGT Neo2、Xiaomi Pad 6(5Pro)とかY700クラスの冷却機構がしっかりした870機に入れれば、F3よりも簡単にその辺の888を捻り潰せるハズ。(バースト中のモダニア=サンの動作とベンチ結果以外は)

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