去年の9月に買ってPixel Experience(Plus)を焼いて検証機にして以来、放ったらかしにしていたMi 9T ProにAndroid 13ベースのcrDroidを導入&Magiskモジュールで魔改造します。
インストール
今回はクリーンインストールなので、事前に一度MIUI 12.5に戻してから導入してます。
【使うもの】
TWRPをブート、データの初期化
Redmi K20 Pro/Mi 9T Pro(raphael)用のTWRPをいつも通りFastbootモードから起動し、”スワイプでデータの初期化”→消去、Dataの初期化”yes”を実行。
adb sideloadでROMとGAPPSを書き込む
そのままTWRP内の高度な機能から”ADB sideload”を選択し”スワイプでsideloadの開始”。
PC側から”adb sideload”コマンドでROMのインストールを開始。
crDroidの書き込み後、もう一度同じ手順を踏みBiTGAppsもインストール。
ADB sideloadが完了したらシステムへ再起動。crDroidが起動します。
使ってみる
LineageOSベースのいつものcrDroidです。ストレージは58(64)GB中、3.7GBかつプリインも最小限でスッキリ。
ホームはcrDroid Home。壁紙が相変わらずシンプルで良いです。
ディスプレイ周りは普通。crDroid上からはリフレッシュレートのカスタム項目は見られず60固定。
crDroidの設定も勿論健在。GSIで試した8.7では翻訳されていなかったゲームペースも日本語に対応。セカンドスペースに相当するカスタムROMではお馴染みのパラレルスペースや、充電を指定レベルで停止するスマート充電にも対応。偽装系ではNetflixも追加。
Dolby AtmosとMIUIカメラが移植されており、固有ギミックのポップアップカメラ周りも色々設定可能。
LineageOSベースですが、crDroidなので顔と指紋認証両対応です。稀にポップアップカメラを上げるか聞いてくる以外は快適に使えます。
指紋認証のアイコンとアニメーションも無駄に豊富です。量だけならEvolution Xと良い勝負。
Adreno 640がオーバークロック状態
Pixel Experience(Plus)でGPUクロックを弄ろうとしてブートに失敗し、boot.imgでリセットの上、MIUIを書き込んだはず…なのですが、crDroid V9.2だと何故かAdreno 640が810MHzにオーバークロックされてます。
KonaBessで確認すると周波数が675~810MHzまで追加されてました。他ROMだと585MHzまでだったはず…。
「???」ってなったので、軽く調べたらコマンドで弄ったMi 9やBlackShark 2と同じGPUクロックらしく、当時QualcommがSD855 Plusの為にベンダーへOC行為を禁止にしたとかなんとか。封印されし術が何故今。
Magiskモジュールの導入
Redmi K20 Pro/Mi 9T Proの画面をオーバークロックして、リフレッシュレートを上げるモジュール。内部的には90Hz駆動になります。ただし90Hzで動いてる感じはしません。ほぼ意味はなく対応ゲームのfps上限を60→90Hzにしてフレームレートやスコアを計測できるだけ。
Redmi K20 Pro/Mi 9T Proの受話口スピーカーからも強制的に音を出して、実質デュアルスピーカー化するモジュール。
本来意図しない機能のため音は右(下側)寄りでバランスが悪く、Dolby Atmos有効化するとそれはもう最悪。オーディオバランスを左側にしてDolby Atmosを無効化することで多少誤魔化せます。
ただし、イヤホン出力も影響を受けるのでこちらもほぼ無意味。魔改造らしいと言えばそうですが。
POCO F4 GTと同様に、AIを用いたAndroid向けのオールインワンオプティマイザ「FDE.AI-docs」を導入。
設定は自動+拡張モードでネットワーク・GPUの微調整も適用。
金魚草限定、最大75%の性能増加と25%の省電力化を目指すモジュール。ほぼプラシーボ効果。
【おまけ:ついでに入れてるもの】
- Shamiko:これで勝ったと思うなよーーー‼(実はroot検知が強すぎるアプリを使ってないので入れなくて良い)
- LSPosed(Zygisk):AOSPやMIUIだと世話になる前提モジュール
- Magisk Bootloop Protector:ブートループ時の保険、なくてもXiaomi端末はなんとかなる
- YouTube ReVanced&mindetach:みんなが大好きなやつ
ベンチマーク(Snapdragon 865超えのGPU性能)
Snapdragon 855かつAndroid 13、ましてOCされたベンチマークデータは少ないのでそこそこ計測。FDE.AI-docs+GPU Turbo Boost+オーバークロックにより、GPU性能が突出してます。CPUはSD855相応で普段使いや2Dの性能はSD845(765G)よりちょっと高い程度。
Wild Life Stress TestはStability98%で、最大スコア4005を叩き出しました。最低でも3925…と定格のSD855ならあり得ないスコアです。
バッテリー消費量は20%弱でしたが、発熱はそうでもなく元々Redmi K20 Pro/Mi 9T ProがSD855機の中では冷却機構が優秀なので、定格より3~5℃高い程度で済んでます。TSMC 7nmのおかげでもあるかもです。
過去の測定結果を持ってくると上位版のSD855 Plusはおろか、後継のSD865すらGPU単体なら超えてます。
LPDDR4XとUFS 2.1なので、ストレージとメモリ性能は今となってはミドルレンジと同等かそれ以下。特にランダムアクセス性能が振るわずUFS 2.1のOPPO Reno 5A以下でした。体感動作にやや影響あり。
原神をスメール(千尋の砂漠)にて、最高画質60fps(720p)設定で15分弱プレイしTakoStats-FPS&Perf overlayで計測しました。
15分弱の計測で平均45fps/平均フレーム消費電力202mWでした。平均消費電力は6889mWなのでSnapdragon 8 Gen 1や888よりは全然少ないです。ただしTSMC 7nmとはいえ旧世代なのでワットパフォーマンスは悪いです。
Snapdragon 865超えのGPU性能なので如何程かと期待しましたが、メモリやストレージ性能はそうでもないのでロードやらオブジェクトの読み込みで足を引っ張っていると思います。ベンチの数値ほど上手くは行きません。
ただ、オーバークロックによりSnapdragon 865超えの効果は出ていて、去年にPixel Experience(+)を焼いて定格で計測したフレームレートは平均38.6fpsなので15%弱は伸びました。
FDE.AI-docsによる最適化と更新されたであろうGPUドライバーの影響もあると思いますが、Snapdragon 865(Axon 10s Pro)の平均47fpsに迫る結果にまで伸びたのは驚いてます。
あとがき
まさか、Qualcommが禁止したSnapdragon 855の810MHz化オーバークロックを、Mi 9T Proで自分が使うことになるとは思わなんだです。
POCO F4 GTの性能調整に躍起になって、GSI・euROM焼きやら色々していた都合で、最近はAndroidもといカスタム関連な気分ですが、久しぶりにroot化やROM焼きの面白みを味わえた気がします。